山本町(三種町)のじゅんさいが旬を向かえており、そのじゅんさいは生産量日本一とされている。しかし、今年のじゅんさいは不作になっているという。その原因は、春先の低温であるとニュース等で言われていた。
今年は冬から異常気象が続いていた。降雪が少なく暖冬傾向で進み、春になってからは冬の様な寒さになる日もあり中々暖かくならなかった。その影響は山菜にも表れていた様に思う。例年より出始めが遅く、収量も少ない収穫だった。雪が少ないというのは、生活するには楽だが植物にとっては悪い環境なのかもしれない。
山本町のじゅんさいは、去年も不作で例年の6割程の生産量であったという。そして今年は更に落ち込み、去年の半分ほど・例年の3割程の生産量になる見込みだという。それに加え、新型コロナの影響により飲食店からの注文がなくなった。じゅんさいは葉の大きさによって規格があるため、最高の物は飲食店向けになる。その需要が失くなると、市場価格も下がる事になる。それはじゅんさいに限らず、高級食材価格の下落が全国で起きている。消費者にとってはありがたいが、生産者にとっては大変な事だ。
三種町各地の直売所では、旬ならではの「生じゅんさい」が販売されている。特に、山本町にある「じゅんさいの館」では、売場のほとんどが生じゅんさいで占められている。しかし直売所とはいっても、その値段に安さを感じない。家庭用のじゅんさいでも、100g160円位であった。規格が上げれば格段に高くなるだろう。
じゅんさいは葉の大きさから「T」「S」「M」と選別され、葉の小さい物ほど高くなる。大葉や茎も規格外として市場に出回る。一般家庭では、この規格外を食べている家が多いと思う。 その選別された物を、今の時期だけ販売される生じゅんさい、ボイルして酢漬けにされる加工じゅんさい、シーズン以外に解凍して出荷する冷凍じゅんさいに仕上げられる。
山本町のじゅんさいは昔から知られており、2合・4合瓶に詰められ、能代山本の特産品ととしておみやげ用で販売される物が多かった。しかしその需要に供給が追い付かず、多くを北海道や韓国から輸入して加工していた。瓶詰のじゅんさいの中には、経年で水とじゅんさいが分離しじゅんさいが底に沈んでいる物も見られる様になった。原因は、じゅんさいの加工にあったのではないかと思う。韓国の場合は届くまで時間が掛かると思うので、加工された物が送られた来たのではないだろうか? その加工技術なのか、じゅんさいの品質なのかは分からない。 それでも、新しい内は変わりがなかったので良く売れた。しかも国産との区別はなかったので、すべて森岳産として販売されていた。今であれば、産地偽称で大変な問題になっている事だ。これでじゅんさい業者は、かなり儲かったのではないだろうか?
山本町のじゅんさいが生産量日本一になれたのは、減反があったからだと思う。米余りからの減反政策により休耕田が増えた。その休耕田をじゅんさい沼として整備した。
水田地帯の中にじゅんさい沼がポツポツとあり、小規模な所もあれば大規模な所もある。水田は多くの水を供給出来るし、地下に水が滲み出る事がない。休耕田にじゅんさい沼を作る事は、良い条件であったと思う。 じゅんさいは小舟を操作し、一つづつ手摘みをする。この手摘みが、生産者の高齢化や摘手不足により生産量の落ち込んだ原因の一つでもあるらしい。
じゅんさい沼では「摘み取り体験」をして観光客を受け入れている所もある。しかし、新型コロナの影響でこの受け入れを自粛して来た。19日からの移動自粛の解除を受け、東北6県までを対象に受け入れ始めた。 大人一人2,000円だが、滅多に経験出来ない事だしじゅんさいは高価である事から、元は取れるかもしれない。
移動自粛解除以降は、秋田県にも多くの人が入って来るだろう。そこには、新型コロナ感染拡大の不安がある。秋田県の感染者数は15人で、数カ月間感染者が出ていない。そのため、抗体を持っている人は少ないはず。数カ所で感染すると拡大する可能性が高いと感じる。
じゅんさいは無味無臭で、じゅんさいに付いているゼラチン質の食感を味わう物。そのため特に美味しい物であるとは感じず、年に1回〜2回食べるか食べないかだ。そこには、値段が高い事もある。
久々に購入して来た。
家庭用は、ロケットという形態で販売されている。自分が購入した店では、150g入277円(税込)で販売されていた。
このゼラチン質がじゅんさいの命。これがなければ、ただの水草。
自分はお吸い物にして食べるのが好みなのだが、手間が掛かるので酢の物にした。
袋を開け水気を切ると、120g程しか残らない。それを3人で分けたから、一人40g程だ。じゅんさいより、キュウリとカニカマの方が多い。
ツルっと2口、3口。 じゅんさいの食感を楽しむのであれば、酢の物の方が良いかもしれない。
コメント