産直の漬物

能代市の「産直・みょうが館」で いぶりがっこ を買った。

いぶりがっこは秋田県の郷土食で、主に秋田県内陸南部山内地区の物が有名です。いぶりがっことは、大根を燻製しそれを漬け込んだたくあんの事です。少し前に投稿した「自家製たくあんを漬け込む」の記事の中に、いぶりがっこのレシピが載っているのでそれを再度入れておきます。

いぶりがっこは大根で作られる事が多いが、人参で作られる物もあり、これがまた美味しい。ここ数年いぶりがっこを使ったレシピが考案されており、いぶりがっこにチーズの乗ったアンマッチの商品が市販されている。クリームチーズを載せても美味しいらしく、いぶりがっこはチーズと相性が良い様です。秋田県の郷土食として、きりたんぽと並びいぶりがっこも全国的に有名になって来たのではないだろうか。

県北の産直でもいぶりがっこを見る様になってきた。三種町八竜では大根の作付けが多く、たくあんの時期になると多くの干し大根が店頭に並ぶ。その干し大根の製造と並行して、大根の燻製も作られる様になった。八竜「産直・ドラゴン」に行くと大根の燻製が販売されており、個人でもいぶりがっこを作る事が出来る様になった。また、大館の「産直・陽気な母さんの家」では一画にいぶりがっこのコーナーがあり、数軒の農家で作られたいぶりがっこが並ぶ。それぞれに作り手の味があり選ぶのが楽しい。 最近 店内のレイアウトが変わり、以前より商品が少なく人の入りも悪くなった様に感じた。それ以来行った事は無いのだが、いぶりがっこは変わってなければ良いと願う。

産直では色々な漬物が安く販売されている。それらは、農家の方々が自分で作った野菜を漬け込んだ物が多いだろう。農家の方々にとっては、商品にならないB品や余った野菜が数倍の値段になる付加価値商品に変わる。 数日前の北羽新報に、その産直の漬物についての記事が載っていた。

2018年6月の「食品衛生法改正」で、漬物製造業が許可制になる事が決まった。法の施行まで3年の猶予期間があり、来年の6月から施行される事になる。 製造販売の許可を得るには、「食品衛生責任者」を置くこと。県条例で定める「施設基準に合致した施設」つまり、専用の加工場の確保。 地下水を使う場合は、「消毒・浄水装置」の導入。 等が製造者に義務付けられる。 食品衛生責任者は一日の講習を受ければ誰でも取得出来るが、設備投資には数百万円のお金が掛かるだろう。 考えてみれば、不特定多数の人に加工品を販売しているわけだから、食品衛生法が適用されていなかった事自体がおかしい事であったかもしれない。しかし、産直に出品されている漬物の多くは自家製漬物であり、自分の家で食べる漬物の延長線上の物を販売している訳だからこの設備投資は厳しいと思う。しかも、メーカーの様に通年製造しているわけではなく時期的な物であり、値段も安く販売しているので、設備投資に見合うだけの利益を得る事は出来ないだろう。

数年前から直売所に加工場が作られる様になってきた。加工場から直売所で販売される漬物・菓子類・惣菜・弁当などを製造している様です。それにより、以前より多くの種類の加工品が並ぶ様になった直売所もある。そこには、食品衛生法改正に対応するためもあったかもしれない。しかし加工場は広いものではなく、以前の様に各農家からの持ち込みがなくなる事によって味が画一化され、物を選ぶ楽しみがなくなる様な気がする。

今回この新聞記事を見て産直の漬物について改めて考えてみたのだが、その際に初めて商品に付いているラベルをまじまじと見た。

表示義務は食品衛生法で定められているので、それに則った表示になっている。ただこのラベルには、「消費期限」と表示されている。食品衛生法では、一部の商品を除き「賞味期限」の表示が義務付けられている。賞味期限と消費期限の文字は似ているが、意味では大きな違いがある。賞味期限は、その日付を過ぎたとしても多少の風味は落ちるが食べても害はないとされている。そのため、多くの加工品は賞味期限になっている。一方の消費期限は、生鮮品や完全に殺菌する事の出来ない加工品、弁当やサンドイッチ・低温殺菌牛乳等々に付けられ、期限を過ぎると腐敗する可能性の高い商品に付けられる。

いぶりがっこには消費期限が表示されている。しかもその期限は二日間です。自分が思うに、古漬(たくあんなどの長期間漬け込まれている物)が二日で腐敗するとは考えられない。しかも要冷蔵と記載されているので、腐敗する可能性は100%ないだろう。では、なぜ「消費期限が二日間」と表示されているのだろうか。 自分が思うに、二日間というのは直売所で決められているのではないだろうか? つまり、二日経って売れ残っていたら撤去しなければならない様に思う。だから、浅漬も古漬も菓子類も全て消費期限として二日間が設定されているのではないだろうか。そこには何の根拠もなく、適当に設定されている様に感じる。

今後 直売所ではどういう対応を取るのか分からないが、確実に種類は減るだろうし残念に思う。

 

今季一番の寒気が入り込み、雨は未明から雪に変わり薄っすらと積もった。今季初めての積雪となったが、根雪にはならずすぐに溶けるだろう。 この風景を見ると、冬になった!という実感がわく。 我が家のたくあんも、12月中旬には食べる事が出来るかもしれない。うまく出来ていると良いなぁ〜・・。

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