ツキノワグマvsニホンザル

熊の腕力 対 猿の知力
はたして勝負の結果は? 人類が猿人だった頃は、そんな決闘もあっただろう。しかし、現代ではそんな事は起こらないだろう。100%無いとは思わないが、よほどの事情がない限りは起こる可能性は低いと思う。 タイトルから連想すればそうなるが、そもそもそんな話ではありません。現在のツキノワグマとニホンザルに関しての比較です。

現在 秋田県では、ツキノワグマ出没警報が発令中で8月31日まで期間が延長されました。しかし、9月からはキノコのシーズンが始まるので9月以降も延長されると思います。そんな中で八峰町ではゴルフ場で熊が目撃され、その後隣接する川で猟友会により射殺されました。子熊だった様ですが、砂防林内には食べる物が無いので人里へエサを物色しに来たと思います。 北秋田市では、伊勢堂岱縄文遺跡で市の職員が熊に襲われ怪我をしました。近くには伊勢堂岱遺跡の資料館が出来て人の多く集まる場所で、その周辺では空港・高速道路へのアクセス道路が建設中のため多くの方が作業をしている場所です。その事により、遺跡の公開が中止になりました。

近年、人を恐れなくなったという 新世代 の熊が出没している事も問題です。熊の目撃情報は毎日の様に新聞の記事になっており、いずれも人家まで何十・何百mという様な人里での目撃情報が多いです。 県内では、4月〜7月12日まで583件の目撃情報があり、過去最多を記録した去年より目撃情報が多いそうです。そして、今後もまだ増えると思います。

去年・今年と熊の目撃情報の話題が多い中で、存在が薄れていったのがニホンザルです。人的な被害は無いものの、農作物への被害はかなりある様です。
平成29年3月(策定) 秋田県第二種特定鳥獣管理計画(第4次ニホンザル)によると

  
10年程前から農業被害面積・被害金額が増え始めました。 しかし、最近では減少傾向にあります。ニホンザルによる被害が目立ち始めた頃からの対策によって、それらからの効果が大きいと思います。


被害地及び、ニホンザルの分布状況です。白神山地に多く生息していて、白神の麓の地域で被害が多く発生しています。 対策として、八峰町では電気柵の設置が行われました。


しかし電気柵の効果は無く、現在は荒れた状態で放置されています。


各家々では、防護網等を設置して畑を囲っています。

追い上げボランティア隊が作られ、ロケット花火やゴム弾等によって里から山へ追い上げる様子がニュースや記事で見ました。白神山地に生息するニホンザルは1000〜1400匹と推定され、絶滅危惧種に分類されているために単純に駆除が出来ない状況にもあると思います。また、白神山地が世界遺産である事も関係があるのではないだろうか? しかし、銃器・罠による最低限の捕獲も行われている様です。最近はニュース等で猿害に関する事を見聞きする事がないので、対策の効果が出ているのではないだろうか。

熊や猿が人里に出没する大きな原因は、森林開発による事が大きい。 落葉広葉樹林の減少によって、エサを求めて里山や農耕地に出没する大きな原因となっている。その熊や猿が里山に居着き、人慣れして人を怖がらない新世代の熊や猿が出て来たためである。

東北森林管理局では、29年度のブナの開花状況と結実予測を発表した。 それによると、この秋は凶作が見込まれるという。白神山地はブナの原生林であるため、熊や猿にとって凶作の影響は大きい。 28年度は大凶作であった。そのため去年は人里での熊の目撃情報が多く見られ、今後も目撃情報は続くであろう。
熊の場合、猛獣である事から簡単に追い払う事が出来ない。
対策が無いまま、今後も熊の恐怖は続くだろう。

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