記録が、ご破算・・

♬テレビも無ェ ラジオも無ェ
自動車もそれ程走って無ェ
信号機も無ェ ある訳無ェ 俺らの村には電気が無ェ
東京へ出だなら 銭っこ貯めで
東京で馬車引ぐだ〜♬
「吉幾三・俺ら東京さ行ぐだ」の歌詞の一部である。

最近この曲が、2〜3社のCMに使われていた。 特にソフトバンクのCMはよく流れていたので、多くの方が知っていると思う。 吉幾三さんは青森県金木町の出身だが、この出身地を自虐的に歌っているモノと思う。 この曲は1984年に発表されたが、さすがに当時はその様な状況では無かっただろう。しかし、吉幾三さんが幼少の頃はそれに近いモノであったかもしれない。

自分の住んでいる所は能代駅がすぐそこに見る事が出来るが、能代の行き止まりの場所になるので開発は中々進まなかった。 50年程前の自分が小学生だった頃は、自分が住んでいる所の道路が舗装されておらず、トラックの代わりに馬車が走っていた。車もそれ程走っておらず、当然 信号機も無かった。(信号機は今も無い) 友人達と馬車の荷台に飛び乗ると、馬を引く人にすごく怒られ怖かった。今 思うと、とても危険な遊びだったと思う。道路が舗装されて間もなく、馬車を見る事が無くなった。

二ツ井町の北側に「藤里町」がある。

平成の大合併といわれる頃の2006年に能代市と二ツ井町が合併したが、隣接する藤里町はどことも合併をせず、独立した自治体として存在している。 町のほとんどが森林で占められているが、世界遺産である「白神山地・核心地域」を、秋田県で唯一保持している町である。 藤里町は、人口3,000人程の小さな町です。この町には、信号機が一基しかない。(記憶違いだったら、ごめんなさい) 町には国道が通じていないため、必要以上に開発がされなかったのかもしれない。車は普通に走っているが通り抜けが出来ない地域であるため、外部からの車は観光等で来る車しかいない。そのため、それ程の混雑は起きないと思う。

藤里町では、6月12日に死亡事故ゼロの記録が6500日を達成したという事で表彰された。この記録は、平成13年から18年近く続いている事になる。達成が出来た要因には、交通量が少なく外部からの進入も少ないという事もあるだろう。その記録が、7月15日に途絶えた。二ツ井町の林道を走っていた軽トラックが何らかの原因で林道下に転落し、運転をしていた男性が死亡した。 これにより、死亡事故ゼロの記録は6532日(17年と323日)となった。

事故というのは本人が気を付けているだけでは防ぐ事が出来ず、巻き込まれる場合もある。死亡事故ゼロの記録が続いている間にも、交通事故の発生はあっただろう。たまたまそれが、死亡事故という重大な事にならなかっただけの事であったかもしれない。 記録はご破算となりまた一から始まる事になるのだが、交通事故ゼロの記録が重大で死亡事故ゼロは付随する記録であると自分は感じる。

全国では高齢者ドライバーの事故が問題になっているが、藤里町そして能代市でも高齢化が進み、尚かつ交通の便が悪いから自家用車が必需品になる。
事故のリスクは増える事になるだろう。

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