8月2日から毎年、能代の七夕が運行される。しかし今年は、新型コロナの影響で中止される事が決まった。これだけではなく、全てのイベント・祭りが中止になっている。本来であれば、7月20日前後に花火大会が行われ、7月26・27日の祭典。そして、8月2日〜8月7日まで各種七夕が運行される。この時期が能代で一番熱く、多くの観光客を呼び込める事の出来る時期である。そのため、観光に関係する業種にとって大打撃であっただろう。とはいえ、都市部では新型コロナが拡大し地方にもその影響が出始めている。そんな中では、来られても迷惑な部分もある。
新型コロナにより個人消費が落ち込んだり地域経済の悪化を防ぐため、内需拡大を狙った「のしろ地域振興券」が8月1日から発行された。1000円券が13枚綴になっており、それが1万円で販売されるため3割のお得になる。
2011年の東日本大震災後に1割お得な振興券が商工会議所で販売されたが、その時は長蛇の列が出来て早々に完売された。その時は自分も買いに行ったが、長蛇の列を見て早々にあきらめた。自分は並ぶのが大嫌いなのだ。
今回ののしろ地域振興券の販売、以前とやり方が異なった。各家々に引換券が郵送され、一世帯3口(3万円)まで購入出来る。そして、販売場所がファミリマート各店に変更されため、以前の様な長蛇の列にはならない様に感じた。 翌日の新聞に、振興券の販売に関する記事が載っていた。取材したファミリマートでは、10時の販売前に100人程が並んでいたといいう。一番早い方は、8時半頃から並んでいたらしい。2011年より2割もお得だし、長蛇の列の記憶があったかもしれない。今回は自分も購入しようと思ったが、並ぶのは嫌だし午後からふらっと出掛ける事にした。完売していれば仕方がないと思いながらも、住宅地にあるファミリマートは避けて、周りに住宅の少ない国道沿いのファミリマートに行く事にした。この選択は正解で、車は2〜3台しか止まってなく待つことなく購入する事が出来た。
市では、全世帯の8割分の用意がある事と、引換券がなければ購入出来ないため一人で何度も購入出来ない。そのため、急がなくても当分は購入する事が出来た。
7月28日現在、市内で振興券が利用出来る所は558の事業所が登録されている。秋田県では別に、宿泊で50%お得になるプレミアム宿泊券、飲食で30%お得になるプレミアム飲食券が発売されている。宿泊券は好評で、第二弾の抽選が8月4日に行われるが飲食券の方はずいぶん余裕があると聞いた様な気がする。たぶん、これら商品券と振興券は併用出来ると思うので、宿泊であれば35%程の支払い、飲食であれば50%弱の支払いになる。ただ、宿泊は能代市内に限られるので、わざわざ泊まる人もいないか! 温泉や食事がすごく良い所であれば少し贅沢な気分で宿泊してもいいと思うが、残念ながら能代には無いと感じる。
能代市内の商店で運営されているポイントカード事業に、「ダンクカード」がある。
1999年7月に事業協同組合が設立され、100円の買物毎に1ポイントが付与され1ポイント=1円で利用出来る。現在は加盟店が60店舗あるが、そのダンクカードが事業停止になった。 ピーク時には100店を超える加盟店があったが、倒産や廃業・全国展開のポイントへの移行等があって加盟店は大きく減っていた。近年では採算性が低下している中で、新型コロナの影響で単月赤字が続いていた。こうした状況に向けての積立金をしていたが、それも全て取り崩してしまい事業を継続するには借入金が必要な状態であった。新型コロナの終息が見えない中で、傷口が大きくならない内に組合を解散しダンクカード事業を停止した様です。しかし、組合の解散を決めたのは7月31日で、翌日からダンクカードは使えなくなった。この件に関しての事前通告はなく、いきなりポイントカードが使えなくなったという事になる。 ダンクカードは約3万枚発行されており、3500万円分のポイント残高がある様です。事前に通告されば、このポイントが使われる事になり3500万円を借入れるなどして精算にあてなければならない。しかし、解散が前提ではお金を貸す所もないだろうし、直前の事業停止を決めたのだろう。
一番の被害者は、会員である消費者になる。自分は持っていなかったが、母親と嫁さんの分で1000円分のポイントが消えた。中には、数万円分のポイント残高のある人もいる様だった。 時々、額面以上の交換になるキャンペーンをやっていた。数量限定であるが、それを目当てに使わずに貯めている人も多かったかもしれない。
猶予もなくいきなり打ち切るのは法律的に問題がありそうな気がしたが、電子マネーの様に現金を振り込んでいるカードと違い、ポイントは商品に対するサービスという捉え方からして、突然打ち切る事への通知の義務はない様です。その事は利用規約に書かれている事が多く、法律的に問題はなく貯めていた消費者の泣き寝入りに終わってしまう。 一時期ポイントサイトというものが多く出回っていたが、その中には詐欺的なサイトも多く見られた。いきなりアクセスが出来なくなり、貯まったポイントが使えなくなったというものである。この場合は苦情を言いたくても会社自体が消えたためどうする事も出来なかったが、ダンクカードの場合は同じ能代に住んでいる消費者と加盟店であるから、その怒りは加盟店に向く事になるだろう。
今回の「のしろ地域振興券」は、総額で7億4880万円の発行であるという。その内の3割で2200万円程が税金で補填される事になる。新型コロナ対策で国民一人10万円の給付や、休業・所得補償で多くの税金が使われた。しかし、事態は好転せずむしろ悪化している様に感じる。のしろ地域振興券に使われた税金も、新型コロナで影響を受けた業種に行き渡るとは思えない。スーパー等は新型コロナによって業績が伸びている所が多いはず。地域振興券は、そんな日常的な業種に多く使われると思う。 仮に、地域振興券をあてにしてダンクカード事業を継続していたらどうなっていただろう? ダンクカードの加盟店には日常的に利用する店は少ないと思うので、地域振興券の恩恵は受けられず破産という事態になり能代の経済の悪化を招いたかもしれない。
効率良く税金を使う事が理想と思うが、新型コロナの場合は猶予がなく税金が湯水の様に使われている印象がある。それにより、その恩恵の受け方は様々だろう。しかし、財政赤字の中の放出であるから、それを取り戻すためにより以上の負担が来る様な気がする。
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