「おばくたがれ」について

数日前の新聞のコラムに おばくたがれ の事が書かれていた。たぶん秋田弁と思うが、自分は初めて聞く言葉であった。しかし嫁さんは、意味は知らないが聞いた事があると言っていた。同じ秋田弁でも、全県的に使われている言葉もあれば極一部の地域でしか使われていない言葉もあると思う。 また、発音により違う言葉に聞こえたりする事もある。 それと、方言を文字に表すのは難しい。北方人はあまり口を開けないで話すので、口ごもった発音からどの文字が適切かと悩む事もある。

おばくたがれの文字に戻そう。 コラムでは、おばくたがれの事を きだふり と解説している。きだふりはよく使われている言葉で、見栄っ張りという意味がある。 おばくたがれは昔から使われている言葉の様で、工藤泰二著「読む方言辞典・能代山本編」にその言葉が載っている様です。それによると、「お晴着集(たが)れ、晴着、美服、姿を良くする人をいう。派手好き。」という意味である事が書かれているらしい。 一日に何度も服を着替える人を おばくこぎ というそうだが、自分の親は「七面鳥」と言っていた。 七面鳥の名前の由来を調べてみると、七面鳥は顔の部分が羽毛で覆われていないそうです。顔の皮膚が露出しているため、状況により顔の色が変わるから付いた名前の様です。実際に自分の親がその事を知っていたかは分からないが、たぶん鳥の名前から連想してそう言ったのだと思う。

また、元に戻ります。 著書には「能代山本編」と書かれているから、おばくたがれはこの辺独自の言葉なのかもしれない。 おばくたがれもおばくこぎも、同じ意味なのだろう。 この「たがれ」「こぎ」「ふり」という言葉は多く使われていると思う。「きだふり」に近い言葉に おべたふり という言葉が当てはまると思う。おべたふりとは、「知ったか振り」という言葉が妥当かな? 意味合いとしてはそうなると思う。「きだふり」も、同じ意味合いで使う事があると感じる。

「たがれ」を日常的に使っている言葉に しんけたがれ がある。意味は神経質という事だが、その神経質さを蔑んだ言い方だと思う。 この「こぎ」「ふり」「たがれ」は、人を蔑む時に使われる言葉なのではないだろうか。

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