笹餅

笹餅とは字の如く、笹で包まれた餅全般の事をいいます。作り方・形は違えど、全国各地にあると思います。笹の葉には殺菌作用があり、そのため昔からの知恵だったのではないだろうか。 新潟に行った時に笹団子を買いました。まだ暑い日の中で、三日間スーツケースの中に放置をしてました。 家に付いて開けたら あめで 食えない状態でした。生半可な知識を持つと、過度なスペックを期待してしまうという はんかくさい 自分でした。

笹餅は昔から田植えの時期に多くつくられ、各家々でも作られていた様です。自分の住んでいる町内では、その時期になると近くの店で笹の葉や、それを結わえる紐が売られてました。しかし今は、どこの店でも見ることがありません。 商用的な物でも、時期的に販売をされている物と、年中販売されている物があります。子供の日に柏餅を食べる習慣がありますが、笹餅と何か関係があるのだろうか?

笹餅として一番有名なのが、新潟県の 笹団子 だと思います。

笹団子の作り方は、もち粉と上新粉を混ぜた物に、ヨモギと砂糖を混ぜてこねる。この団子生地で餡を包み、その団子を笹の葉で包み、い草の紐で結わえる。それを、蒸し器で蒸す。粒あんが定番ですが、こしあん・ずんだあん・惣菜が中に入った笹団子もあります。


笹団子パンというのもありました。 笹団子の由来は、上杉謙信が考案したと言う説がありますが、それより昔から庶民によって作られていたといわれています。材料はその辺の野原に行けば揃うし、くず米を加工して作っていたのではないかと思われている。 新潟県上越市桑取谷地区では、少し違う笹餅を作っている様です。こちらの笹餅は、蒸した餅米にヨモギと蒸した里芋を混ぜて臼でつきます。その餅で餡を包み笹の葉で包みます。
http://kuwadori.com/
桑取谷地区の取り組みです。
全国的な笹餅の作り方は、出来た餅を笹の葉に包んで保存するやり方が多い様です。


深浦町 道の駅・いか焼村で購入
青森県西津軽にも笹餅があります。しかし、深浦の辺りと五所川原の辺りで作られている笹餅は、見た目は似てますが作り方は全然違います。 深浦では、もち粉にゆるめのこしあん(粒あん)を混ぜてこねる。その生地を笹の葉で包んで、蒸し器で蒸すやり方の様です。 五所川原では、もち粉にゆるめのこしあんを混ぜて、それを蒸して餅を作ります。その餅を笹の葉に包みます。深浦町と五所川原市の間に鰺ヶ沢町があります。鰺ヶ沢町でも笹餅は作られてますが、果たしてどちらの作り方なのだろう?
鰺ヶ沢町では、笹餅の生地に似ている 鯨餅 が作られてます。


鰺ヶ沢の鯨餅は、うるち米ともち米の粉に餡を混ぜてこねた生地を型にいれて蒸して作る菓子です。西津軽の笹餅は、鯨餅の影響もあるのかな? 鯨餅ですが、江戸時代の書物には京都の菓子の作り方で鯨餅が紹介されているそうです。鯨餅は、青森県の他に山形県でも販売をされているのを見た事があります。鯨餅は 北前船 によって、京都から伝えられた食文化といえます。 しかし京都では鯨餅は作られなくなり、伝えられた地域で色々と形を変えて作り続けられている様です。

 (笹巻き)
秋田県では、笹巻きといわれる物が一般的です。 笹巻きの作り方は、笹の葉を円錐状にした中に うるがした 餅米を八分目位入れて、笹の葉でふたをする様に折る。それをい草の紐で結わえる。少しややこしいので、写真付きで解説しているURLを貼ります。
http://common3.pref.akita.lg.jp/aktshoku/100sen/index.html?article_id=124
それを一時間位鍋で煮ると日持ちがするそうです。


たぶん、全国的に笹餅とは、笹巻きの様な感じで作られている地域が多いのではないだろうか?


桧山 梶原茶誠堂 笹餅
能代の笹餅は秋田県で異端の存在だと思い、作り方は深浦町の笹餅の作り方に似ている。各家々で作り方は違うかもしれないが、自分の家の作り方は、餅米とうるち米の粉に白砂糖か黒砂糖を混ぜてこねる。それを笹の葉に包んでい草の紐で結わえる。それを鍋で煮て作ってました。 出来た物はすぐ食べてましたが、残った物は部屋の中に吊るして保存してました。しばらく日持ちはするのですが、やがて固くなる。それをまた温めると柔らかくなるのですが、子供の頃は電子レンジなどなく固くなった物をそのまま食べてました。個人的には、黒砂糖の方が好みです。

笹餅はいつの頃から作られていたかは知りませんが、材料は身近にある物で作る事が出来るし、冷蔵庫の無い時代には笹の葉を使った保存方法が昔から知られていたと思う。それは、笹餅に限らず色々な食品に使われていたのではないだろうか。

現在 笹の葉は一般的には販売をされておらず、自分で採取をしなければならない。笹の葉だったら道端でも採取する事が出来るので、自分の家の笹餅を作りたい気分になった。
家で作ると、50年ぶり位になるのかな。

コメント

タイトルとURLをコピーしました