能代火力発電所と再生可能エネルギー

能代には火力発電所がある。 1981年から用地の造成に着手し、1993年に1号機・1994年に2号機が運転を開始した。そして、現在は3号機が建設中です。


火力発電には石油・石炭・天然ガスを使う発電所があるが、今は天然ガスを燃料として使う発電所が一番多い様です。その次に石油、そして石炭だろうか。能代の場合、石炭と木質バイオマスを燃料として使っている。その背景にはオイルショックがある。発電所計画が出た頃はオイルショックの時期に当たり、石油不足対策のために石炭発電所に決まった。また、木質バイオの材料が豊富にあった事も決め手になったと思う。その他のメリットとして、灰が再利用出来る事。その灰を使って石膏ボードを作るという計画があって用地が造成されたが、未だまだ企業の進出は無く空き地になっている。石炭火力のデメリットは、その排気ガスにある。二酸化炭素削減を目標に上げているいま、今後は石炭火力は使われなくなって行くだろう。
石炭を燃やす物として、やはりSL機関車を連想してしまう。

SL機関車の様、もうもうと立ち昇る煙。ではなく、発電所の煙はほとんどが水蒸気だそうです。ずいぶん前に市民が不安に感じ新聞に投稿した時、東北電力からその様な解答があった。 触媒によりガスは浄化されていると思うが、全てを浄化する事は出来ないと思う。人体に影響はなくても、温室効果ガスは確実に出ていると思う。

火力発電所建設は、能代に大きな経済効果をもたらした。発電所建設の他に送電線の建設とその周辺に関わるものなど、他方から多くの労働者が能代に入って来た。それにより、宿泊施設や見回り品の購入、そして飲み屋も多く栄えた。能代の労働者と比べ収入も多かったので、お金の使い方も派手であった。しかし建設も終盤に入ると、飲み屋は閑古鳥が鳴き特需は一時的なものであった。現在3号機が建設中であるが、かつての様なフィーバーぶりは感じられない。その3号機の運転開始が、2020年3月に決まった。当初の予定では2020年6月であったが、老朽化の進んだ秋田火力発電所の設備廃止が決まったため3ヶ月前倒しをした様です。 能代火力発電所の出力は3基合わせて180万キロワットになり、東北電力管内では3番めの供給力になる。

能代市は、火力発電と並行して風力発電にも力を入れている。現市長の公約に、「風力発電を生かしたエネルギーのまちづくり」「能代港を風力発電の拠点港にする」とある。

能代港から南側、男鹿市にかけて風車が続々と立って来ている。そして、北側にもその数は増えている。 そして今、「洋上風力発電」が計画されている。

計画では今年から着工が始まり、21基建設し計86000キロワットの供給予定になっている。その稼働は、2021年の予定です。 ※2021年4月現在、まだ準備段階で着工は進んでいません。

民間では、メガソーラーの設置が進んでいる。ここ数年の内に、田んぼ一枚分位の土地にソーラーパネルがあっちこっちに作られる様になった。また、市関連の建物にもソーラーパネルが設置される様になった。その要因となったのは、東日本大震災による大規模な停電です。その時以降、公共施設にはソーラーパネルが設置される様になった。

能代山本では、一番規模の大きいメガソーラーだと思う。写真に写ったのは一部で、これの4〜6倍はある様に感じ、普通のカメラでは収まりきれなかった。この施設は、閉鎖したゴルフ場に建設されていた。

日本海側では、ソーラー発電のメリットがあまりない。冬場はほとんど日が照らないので発電量が落ちるし、パネルに雪が貼り付けば効率が悪くなる。そのため、一般家庭では導入している所は少ないと思う。 親類で、15年程前からソーラーを設置している家がある。夏場は余剰電力があるので売電しているが、冬場はほとんど発電がないため買電しているそうです。その家はオール電化住宅なので、冬場の電気代が5〜6万円かかるそうです。それでも灯油代やガス代が掛からないので、一年を通せば一般家庭の光熱費とほとんど変わらないかもしれない。 設備も年が経てば故障して来る。その家も、10年位経った頃から故障が目立つ様になったそうです。特にオール電化用の器具は多く普及していないため、灯油・ガス用の器具より高い。そのため、故障すると多額の費用がかかる。ソーラー及びオール電化設備の減価償却が間に合わないから、トータルするとソーラーを設置していない家よりお金が掛かるかもしれない。設備費は快適代と考えるしかない。

  2016年2月7日付の北羽新報に、追尾型太陽光発電の記事が載っていた。高さが約15mのパネルで、固定式よりも1.8倍の発電量が見込まれた。個人の資金で作られたモノだが、当時の記事で数千万円掛かったと記憶している。


現在は、大規模な修理が行われている。パネルを直すよりも、足場を組む方にお金が掛かるのではないだろうか? 稼働してまだ3年程しか経っていないので、まだ元は取れていない様に思う。

この画像は、八峰町のポンポコ山にある施設です。赤四角で囲んでいる部分は、旧峰浜村のゴミ焼却施設です。その手前にある施設に、かつては温浴施設がありました。そこは温泉ではなく、ゴミ焼却から出る熱でお湯を沸かしていました。いわば「ゴミの湯」だろうか。この場合は再生可能エネルギーではないが、排出されるエネルギーを有効に活用した施設だったと思います。この様な発想は峰浜村だけではなく、たぶん誰でもが持つ発想かもしれない。仮にこれを発電に利用した場合、温室効果ガスは確実に発生する事になる。そのため、再生可能エネルギーには当たらない事になる。しかし、可燃ゴミの処理方法が焼却しか方法がないとしたらそこからは必ず温室効果ガスが発生するが、その際に出るエネルギーを利用したとしたら、発電に掛かる温室効果ガスは発生しないという事にならないだろうか? この施設の温浴施設はずいぶん前に廃止になったが、ボイラーが壊れたためだと聞いた事がある。そして、通常のボイラーよりも消耗が激しい様な事も聞いた様な気がした。

東日本大震災を期に、再生可能エネルギーを本格的に取り組む所が多くなった。一番のメリットは、場所さえあれば誰でも始める事が出来るし原料がいらない。資源が枯渇する事もなく、排気ガスも出ない。しかし、自然が相手なので供給が不安定になる。快適を求めるならば、どうしても燃料発電に頼るしかないだろう。もし、電気が備蓄出来る様になり快適を少し犠牲にすれば、原子力も火力も大きく減らす事が出来ると思う。
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水曜日に、写真撮影のため「はまなす展望台」に行って来た。

2004年に完成し、高さは27mある。そして、今回 初めて中に入った。

エレベーターは無く、階段は丁度100段あった。

少し寒かったが、その分空気が澄んで白神の山々が一望出来た。この頃、関東や太平洋側では雪が積もって大騒ぎであったが、能代は天気が良く小春日和の様で快適であった。 洋上風力発電が始まれば、この風景も変わるかも知れない。

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