数日前の事になるが、新聞上で 「ポスティングをやめます」 という、ホーマックの広告が載っていた。
ポスティングとは、チラシなどを各家々に直接配布する事です。
ホーマックでは、20年位前からこのポスティングを行って来たと思う。どの位配布しているか分からないが、能代の端の自分の家まで来る位だから、かなり広い範囲まで配布していたと思う。その後 同業他社も行っていたが、今はホーマックだけが家の郵便受けに入っている。
ポスティングの利点は、新聞を購読していない家にも確実に届く事だ。
かつてアイケーでも、開店祭等の大きなイベントの時にはこの方法が取られていた。
イベント前の定休日に、全従業員及びテナントの従業員がこのポスティングに参加させられた。 4〜5人が一つの車に便乗する事になり、配布する地域が割り当てられた。能代山本全域に配布するため、その数は膨大な数であった。
店の印象を良くするため必ず挨拶をしながら一軒一軒を回る様に言われたが、そうしているのも最初の内だけであった。そうしていると一日では不可能と感じ、郵便受けに入れたり、道路から奥まった家はパスしたり、事業所には大量に置くなどしてノルマをこなした。配達業務には慣れていないため、犬に噛まれる等の事故も発生した。それでも和気あいあいと仕事が出来たので、楽しい仕事ではあった。
ポスティングは、確実に届くという利点もあるが費用が掛かる。費用対効果で考えた場合、ホーマックではムダと判断したのかもしれない。チラシは、主に新聞の折込として配布されているのではないだろうか。
現在は、新聞がデジタル版で配信されたり、ニュースがアプリで配信されているため紙の新聞の需要は減っている様に思う。 自分の家では、10年以上前に全国紙を解約した。スマホニュースの方が情報が早いし、無料で見る事が出来るためそう決めた。
配達される新聞が減ると、当然チラシを見る人も減る事になる。そのため小売業等は、自前のHPやアプリにチラシを載せている。先程のホーマックをその様にやっているが、他にチラシも配布していた。今度からはチラシ配布をやめ、デジタル版一本で行うという事だろう。
小売を生業にする業種では、チラシはなくてはならないモノである。
一時、経費節減の中で広告宣伝費を大きく減らした事があった。かなり昔の販促会議なので細かい数字は忘れたが、狭い商圏でもチラシを週一で折込むと、月に数十万円の経費が掛かると聞いた記憶がある。そこで、チラシを一切発行しないと決めた。その結果は、大きく売上が落ち込んだ。 当たり前の話であるが、いきなり断ち切る事は無謀で、色々と手段を講じてもある程度の出費をしないと売上は伸びない。
そこで、北羽新報の広告にチラシを載せようという事になった。
北羽新報は能代の郷土紙で、その購読率はかなり高いと聞いた。そのため、折込でチラシを配布するよりも多くの市民の目に止まる事になる。
新聞広告のデメリットは、特売期間中にその広告が手元に残らない可能性が高い事。広告を切り取って手元に置く人は少ないだろう。そのため、特売二日目以降の効果が薄くなる。
それでも折込よりはるかに安いので、現在も続いている様です。
北羽新報の紙面であるが、カラー印刷も出来るので十分に効果はあると思う。
紙面の1/3が広告になっているが、能代では滅多に大きな事件や事故が起きないので、どうでもいい様な記事も多く載っている。良い意味で考えると、能代を全て網羅している新聞である。
チラシを発行しなければ、それを印刷する業者に影響が行く。
能代で一番大きな印刷会社であった「能代印刷所」が、2012年7月2日付けで自己破産申請し倒産した。
能代印刷所は1843年創業で能代では優良企業であったが、印刷需要の落ち込みで設備投資による借入金が資金繰りを逼迫したとある。倒産する少し前に、工場を新設した事が原因だろうか。
チラシだけでなく、年賀状や文書等もパソコンとプリンターがあれば自前で出来るので、印刷需要は今後も減り続ける事になるだろう。デジタル化が今後も進む事になると思うが、そうなればチラシや新聞などの印刷物は不要となるだろう。
ただ印刷物にもいい面があり、それは一目で分かる事だ。デジタルチラシを見る場合、スマホやタブレットでは拡大しながら見なければ老眼には辛い。その手間が面倒に感じる事がある。
印刷物が無くなれば、紙の需要も減る。
いつだったかのニュースで、アマゾンの開発が進めば近未来にはCO2を吸収出来なくなるという。全てがパルプ用の伐採とは思わないが、その分の伐採量が減るだけでも自然保護になると感じる。
地球温暖化が深刻になっているが、能代では石炭火力発電所が今月から本格稼働した。それと並行して、洋上風力発電の建設が本格化しようとしている。 それらは、地球環境に対して相対する発電所になる。
能代の場合、地球環境を考えて計画が進んでいるというよりも、それらを建設する事によって得られる目先の利益を追っている様な気がする。
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