能代の衰退を感じる事

少子高齢化が進んでいる事は、どこの地方都市でも抱えている大きな悩みだと思う。能代山本も例外ではない。月に一度報告される人口動向では、まもなく80ヶ月連続減少となる事が予想される。そして3月は就職等で転出が多くなるため、より一層に能代山本からは人がいなくなる。

数日前の北羽新報に、学校統合の記事が載っていた。平成元年には、小中学校の児童生徒数は13,289人を数えていたが、30年には4,697人と激減している。そして30年間の統合により、小学校は17校、中学校は3校、高校は1校がなくなった。そして3年後には、能代工業高・能代西高が統合される予定になっている。今後の児童生徒数は、2030年頃にはさらに半減すると試算されている。学校の統廃合によって一番困るのは子供達だろう。中心部に住む子供達は良いが、周辺部に住む子供達は通学に一時間近くかかる所もあるかもしれない。スクールバスが用意されるとは思うが、通学に一時間もかかるのは大変と思う。

能代の場合、中心部の人口減少が激しい。能代市役所と隣接する場所に「渟城第二小学校」があった。それが児童減少に伴い、一小と三小に分割統合され2007年に閉校した。 能代第一中学校は、能代が港町として栄え能代が形成された地区が学区になっている。インフルエンザによる学年閉鎖の記事で、1学年が60人前後である事を知った。という事は、1学年が2クラスという事になるだろう。学校は違うが、自分が中学生の頃は1学年が7クラスあったからその減少の大きさに驚いた。

能代市の3月定例議会が2月26日に開会された。 そこで市長が行政報告を行い、人口減対策として新年度に「人口政策・移住定住推進室」(仮称)の設置を検討をするという。すでに6年以上連続して人口減少が進んでいる。その間に何も対策をしてこなかったのだろうか? 今頃? という思いがした。
学校統合の記事の横に「能代市中心市街地活性化推進協議会」による最終となる提言書が、市長に提出された事が記事になっていた。 能代中心市街地が、ドーナッツ化現象により衰退してずいぶん年が経つ。それによって二小が閉校となり、一中の生徒数が減った大きな原因である。ドーナッツ化現象が能代の人口減の原因とは思わないが、衰退し寂れた街に若者が住みたいと思うだろうか。

かつては能代の商店街として繁栄した畠町商店街は、今はシャッター通りになっている。


数年前の秋田銀行の統合により、駅前支店が閉鎖され今は更地になっている。 畠町通りを歩く人の姿はほとんど見えない。

1978年に、能代で初めて本格的なショッピングセンター「アイケー」が中和通りに開店した。それ以降、中和通り商店街が能代で一番人通りの多い場所になっていたと思う。その後ニチイに吸収され、マイカル崩壊後にサティが閉店した。それからは、人の歩く姿も少なくなった。

アイケーが出店した頃に、中和ビルがあった。それが少し前に解体され更地になった。思い出深い場所であっただけに、さみしい感じがした。

畠町では、シャッター通りの中に営業を続けている店が点在している。 しかし、やっているんだかやってないんだか分からない店に人が寄るだろうか? 人が通らない所でその店がさみしく見える。 推進協では、何か具体策があるのだろうか? ただ「がんばろう!」では、客は寄り付かない。何か「核」となるモノがなければ商店街は形成されないと思う。それは店舗とは限らず、住宅地と共存出来るものであれば何でも良いと思う。そのためには、全てを壊し作り直さなければ状況に変化は無いと思う。何処だったかの市長が「火をつけてでも・・・・」と言った事がパワハラになり辞職したニュースがあった。事業が進まない事へのイライラから出た言葉だろう。しかし、その市長の気持ちが分かる様な気がする。能代の市長もそれ位の気持ちがなければ、中心市街地活性化の状況は変わらない様な気がする。

アイケーは「イシヤマ」と「菊宏洞」の地元企業が手を組み、ニチイ(マイカル)の資本が入って設立された。イシヤマはずいぶん昔になくなり、菊宏洞は2017年?に廃業した。 その建物が取り壊され、今 更地になろうとしている。


数ヶ月前に「西村醸造所」が廃業をし、老舗がなくなっていく。
余計に、能代のサビれが伝わって来る様な気がする。

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