124年ぶりの節分

今年の節分は2月2日になっている。一般的には2月3日が節分と覚えているので、一日早い事になる。 節分とは立春・立夏・立秋・立冬の前日を指しているが、立春の前日だけを節分と呼んで行事が行われる。そのため節分が一日早くなったというよりも、立春が一日早くなったという事になる。この一日早くなったのは124年ぶりとされている。しかし、早くなるだけではなく遅くなる事もあり、近年では37年前の1984年が2月4日の節分であった。

暦による季節は、地球が太陽を回る軌道から算出されている。一周360°の円を24等分したのが「二十四節気」という。

春分から始まり、360÷24=15の計算から一節気15°づつ進んで行く。

地球が太陽を回る周期を一年として、一年は365日となっている。しかし、実際の周期は約365.242日あり、一年で約0.242日多くズレが生じてくる。このズレが4年間でほぼ1日分の時間になるため、4年に一度二月に1日を加えて29日にした年を「閏年」と呼んでいる。4年に一度を閏年にしたが、この加えた一日が正確には約0.968日と一日に満たない。二十四節気は軌道上の地球の位置によって決まるため、閏年によって補正されても約0.032日分の誤差が出る。この誤差が何十年も掛けて一日となるため、二十四節気の日にちが変わる事になる。 そのため、今年は2月3日が立春になった。二十四節気全てが一日早くなるという訳ではなくて、去年と同じ日付のものもある。二十四節気の地球の位置が、生じた誤差の計算で一日に満たないためだろうか?

節分の行事といえば、やはり「豆まき」だろう。節分、つまり季節の変わり目には様々な邪気が生じると考えられている。邪気を鬼に見立て、それに豆をぶっつけて追い払うという考え方かもしれない。 また、イワシを飾るという風習もある様です。イワシを焼いた時の煙と匂いが、鬼にとって苦手とされている。そして、そのイワシの頭を棘のある柊の葉と共に玄関先に飾ると、鬼は入り込む事が出来ないという。

かつては大阪だけにあった巻き寿司を丸かじりするという「恵方巻き」の風習が、今は全国的に広がっている。こちらは鬼を追い払うというよりも、福を呼び込むという風習だろう。これを広めたのはコンビニとされているが、今はどこのスーパーや飲食店でも販売されている。 恵方巻きは、歳徳神のいる恵方を向いて一言も発せず黙々と一本を食べ切る事とされている。客観的にみて、滑稽で ほじね 行事だと思う。この事を聞いた時、精神科の患者の事を思い出した。ロールケーキを購入しても、刃物は持たせられないから丸かじりするそうです。 恵方巻きが広がったのは、見た目も良いし、売る方にしても単価が上がり利益も取れる商材だったと思う。

節分の夜は、イワシを焼き恵方巻きと一緒にイワシを食べる。そして、食べた後に残ったイワシの頭を玄関に飾る。一息ついてから、家族全員で豆まきをする。イワシから潜り抜けた鬼に豆をぶっつけるという波動攻撃で鬼を撃退し、同時に福を得るという事で完璧だろう。

我が家では、節分の風習は一切行わない。自分が子供の頃に一度だけ豆まきをした記憶があるが、落花生でも片付けるのが大変という事で、以降は行わなかったと思う。恵方巻きは食べた事があるが、ちゃんと切って普通の食事として頂いた。そこに風習は関係なく、ただ単に美味しそうだったから食べたのである。

豆まきに使う豆は、落花生が主流だろう。炒った大豆より落花生の方が美味しいし、後片付けが楽だからです。撒かれた豆は食べる事になるが、歳の数だけ食べるとされている。しかし、歳を取った方が70〜80粒を食べるというのは体を壊す原因になりそうな気がする。 数は別として「福豆」として豆だけを食べる方は多いと思うし、大豆よりも豆菓子の方が美味しいのでそちらを食べる方が多いと思う。福豆は「炒った豆」と定義付けられているが、豆菓子も加工の段階で炒る作業が入っているはず。

秋田県内のスーパーでは、落花生の他に「でん六豆」が山積みされている所が多い。その陳列の際に、販促キットが同梱される。

故 赤塚不二夫さんがデザインしたお面で数十年前から続けられており、毎年違うデザインになる。販促キットには直径1m位の巨大なお面が付いており、そのディスプレイで客には強烈なアピールになると思う。たぶん、開始当初から行われていたはず。赤塚さんは2008年に亡くなられているので、その後は「フジオプロ」でデザインが決められているのだろう。 ふざけたキャラクターに見えるが、昔の販促キットに般若のお面を付けていたメーカーがあった。これはマジに怖く、子供には受けないだろう。鬼の怖さは必要がなく、子供が楽しんで豆まきが出来る位が丁度良い様に感じた。

【CM】でん六

テレビCMが流れていた。今年は丑年なので、闘牛をイメージしたデザインと内容になっている。

でん六豆は、うぐいす豆の部類に入る豆菓子です。自分の好みであるが、他のうぐいす豆よりはるかに美味しいと思っている。 でん六豆は、山形県に本社を置く「でん六」が製造している。1924年に「鈴木傳六」さんが創業し、おこしや甘納豆を作っていた様です。1953年に「鈴木製菓株式会社」として法人化した。1963年にでん六豆が発売され、それが爆発的人気になって以降、社名を「株式会社 でん六」に変更した様です。自分が子供の頃から食べていたでん六豆だったので、慣れ親しんだ味だったのかもしれない。 でん六はローカル企業と思っていたが、全国をカバー出来る営業所を開設している。東北程売れているかは分からないが、全国どこの店舗でも見る事が出来るかもしれない。これも自分の好みであるが、でん六の製品は総じて美味しいと感じる。

山形県の企業に「酒田米菓」という会社がある。こちらは完全なローカル企業で、山形県にしか事業所がない。このメーカーの「オランダせんべい」がしこたま美味しい。

うす焼きの塩味せんべいで、これと同じ様な商品は数多くあるが、オランダせんべいより美味しいうす焼きせんべいは食べた事がないと思っている。これも、子供の頃からの慣れ親しんだ味のせいだろうか。

酒田米菓は1957年創業で、1962年にオランダせんべいが発売された。1968年に「第17回全国菓子大博覧会」で名誉総裁賞を受賞している。美味しさは保証されているだろう。当時のテレビではCMも流れていた。

山本リンダさんの甘い声のCMは、今もそのフレーズを覚えている。 以外に思ったのは、オランダせんべいが全国で販売されていない事。有名人を起用していたので、全国展開されていると思っていた。 と知ったのは、それ程昔の事では無かった。帰省した方がおみやげとして箱単位で注文するので聞いたら、東京では売っていないと言う。この頃はメーカーでもそれに対処してか、10袋とか15袋入れの小さなサイズの箱入りも販売する様になり、ネットでも販売されている。

北海道・根室にも、オランダせんべいがある事が判明した。写真や説明でしか分からないので何ともいえないが、原料が小麦粉である事から「厚焼き南部せんべい」の様な物だろうか? 製造元である「端谷菓子店」のサイトには、「元祖 オランダせんべい」とある。根室市内に同じ様な商品があるのだろうか? 酒田の物とは原料が違うし、味も食感も全てが違う様な気がするので、酒田を意識したものではないだろう。

今年の節分は124年ぶりの特別な節分だから、イワシから豆まきまで一通りやろうかと考えた。しかし、やはり面倒くさいので豆を食べるだけにします。もちろん、歳の数だけは食べません。

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