東雲羊羹

東雲羊羹が、12月から値上げされる旨の事が新聞広告に載っていた。

一本207円(税込)になった訳だが、この前に何度か段階的に値上げをされて来たはずです。でも自分には一本100円の時の記憶しかなく、ずいぶん高くなったな! という印象を持つ。 能代に長年住んでいるが、まだ数える程しか東雲羊羹を食べた事がありません。自分は羊羹自体をほとんど食べないので、東雲羊羹の味が全国的にも美味しい部類に入るのかは分からない。

東雲羊羹を製造している 熊谷長栄堂 は、天保8年(1837年)創業で羊羹一筋の老舗です。昔ながらの伝統を頑なに守り、東雲羊羹の製造を続けて来ました。そのため一日の製造の量に限りがあり、盆・正月の繁忙期には他の小売店に出回らず、製造元である熊谷長栄堂でしか購入出来ませんでした。そのため自分の店では、繁忙期の数カ月前から少しづつ納品してもらい冷蔵庫にストックして対応してました。その東雲羊羹の販売量も年々減り、ストックの必要がなくなるまで販売量が減ったと記憶している。嗜好性の変化と思われるが、それでも能代市民にとって東雲羊羹の存在は根強く、能代の銘菓と聞かれれば東雲羊羹と答える人は多いと思う。

170年以上営業が続けられていた熊谷長栄堂ですが、店主の熊谷健さんが亡くなった事により跡継ぎがいなくなり、2014年に廃業をしました。しかし、2015年に親族によって熊谷長栄堂は再開され、東雲羊羹はまた販売される様になりました。ただ、昔ながらの製法を続ける事が出来ず、一部を機械化する事により味や食感が少し変わったとされています。 昔の東雲羊羹は一個づつ手作業で作られ竹の皮で包まれてましたが、その後 竹の皮がそれを模した紙に変わり、2015年から販売されている物は昔の包を模した箱に変わった。

東雲羊羹が無くなった時には残念な気持ちになったが、昔からの伝統を変えてまで作り続ける必要はあるのかな? と自分は思う。全てが変わればそれは東雲羊羹ではない! と自分は思うからです。それが進歩と考えれれば良いのですが、以前より劣化するのであれば続ける意味が無いのでは? と思う。

全国的に後継者不足が起きている。黒字経営であっても廃業をしなければならない事や、町工場の長年に渡って培われた技術、昔からの技法・製造が失われる事もある。失われたものを取り戻すには、大変な困難や無理な事がある。そうなる前に国家的な補助をし、絶やさない様にする事も必要と感じる。

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