能代の笹餅

8月11日は全国的に暑くなる予報になっていた。能代も例外ではなく、今期最高の32.5℃を記録した。関東などと比べれば大した気温でないと思うだろうが、能代ではかなり苦しい暑さだ。そんな中で今回の記事は場違いな感じがするが、一ヶ月程前から書き始め訳あって中座していた原稿なのでそのままアップする事にした。

一ヶ月程前になるが、山菜のミズを採りに行って来た。その場所に、キレイな笹の葉が生えているのを見付けた。その葉っぱを見付けた時に、少し時期外れとは思いながらも「笹餅」を作ってみようと思った。たぶん、子供の日のあたりに家では作っていた記憶があり、5月〜7月頃までは店でも販売されている。2年程前にもそう思って笹の葉を採取し上新粉を購入したが、結局作らず笹の葉は廃棄した。今度は確実にやる! と決意した。

笹の葉は、30〜40枚程採取してきた。

笹や竹には抗菌・防腐作用があり、多くの食品の保存に使われている。富山の「マスすし」は笹の葉に包まれた押し寿司だし、新潟の「笹団子」というお菓子はどちらも全国的に有名だと思う。また、おにぎりは竹の皮で包んで携帯するというイメージがある。これら以外にも、笹・竹は食品に多く活用されているだろう。しかし、過信は禁物です。新潟に行った時におみやげで笹団子を購入したが、ビニール袋に入った笹団子をスーツケースの中に入れて放置していた。家に帰って中を見ると、あめで 糸を引いていた。なまじ おべたふり だと、誤った結果を生んでしまう。いくら抗菌・防腐作用があっても、最悪の環境ではその効果を発揮出来ない。

能代にも笹餅がある。自分が子供の頃には、時期になると近くの店で笹の葉とイ草が売られていた。町にある製粉所に米を持っていき、それをだんご粉にしてもらい母親が笹餅を作ってくれた。当時の店では笹餅は売られてなく、各家々で作っていたと思う。 笹餅には、上白糖で作る白い笹餅と黒砂糖で作る黒い笹餅がある。自分は黒い方が好きだし、一般的にも黒い方が人気があると思う。 一度で大量に作るので、食べ切れない分は風通しの良い所に吊るして保存した。吊るされた笹餅はカッチカッチに固くなるので、再び茹でるか蒸すかして食べる事になる。当時は、電子レンジが無かった。

秋田県で笹餅といえば「笹巻き」が一般的かもしれない。笹巻きは直売所などでよく見掛けるが、能代の様な笹餅は見る事がない。秋田県の中でも、笹餅は能代独特の食べ方かもしれない。

笹巻きは、中国の「ちまき」と同じ系統と感じる。実際に作った事がないので詳しくは書けないが、笹の葉3枚でカップを作り、そこに餅米を詰めて米が漏れ出ないようにイ草で縛る。それを茹でた物が笹巻きになる。笹巻きは、砂糖味の付いたきな粉に付けて食べる。前に笹餅だと思って笹巻きを買った事があるが、自分の好みではなかった。能代の笹餅に慣れているためだろう。

笹餅を実際に作ってみた。

結論から言うと、失敗作であった。味は美味しいと思うのだが、食感がグミの様に固く自分の知っている笹餅ではなかった。 母親に作り方を聞いたが、50年以上前に作ったのが最後で詳しくは覚えていなかった。ネットで調べてもそのレシピは載っていなく、自己流で作った事が原因だ。

2年前に買った上新粉が家にあったので、それを使った。昔は米を挽いて粉にしてもらっていたので、だんご粉の方が妥当であったかもしれない。この上新粉は、賞味期限を1年以上過ぎた物であった。でも袋は開けてないし、変質する要素がないので大丈夫だろうと思った。

上新粉の袋に書かれた作り方の水量に黒砂糖を溶かした。あとは上新粉に糖液を入れて練るだけなのだが、全部の糖液を入れると、確実に緩くなると分かる。作り方には耳たぶ位の固さとあったので、糖液は半分くらいが残った。

耳たぶ位というのが曖昧で「こんな感じかな?」という固さで練った。

後は適当な大きさに分け、それを笹の葉で包み、イ草が無いのでタコ糸で縛った。 母親は茹でて作ったが、自分は蒸す事にした。特に理由はないが、そっちの方が良い様に思えたから。

しばらく蒸して出来映えを見たら、何か餅が粉っぽい感じがする。やはり茹でる方が正解だったのかと思い茹でる事にした。しかしその結果は、グミの様に固くまだ粉っぽさが残る感じがした。蒸して茹でたため、こじらせてしまったのだろうか? たぶん、練った状態の生地が固かったのかもしれない。

青森県にも笹餅がある。 青森の笹餅はもち粉に粒あんを練り込んだ生地で、全県的に同じ感じがする。青森県には「鯨餅」という物があって、これもあんこが練り込まれている餅に見える。たぶん、鯨餅も笹餅も発生は同じかもしれない。笹餅は地方によって、笹に包んでから蒸す方法と蒸した餅を笹に包む方法があると聞いた様な気がする。

101号線沿いの、深浦町や鰺ヶ沢町でこの笹餅をよく購入する。たぶん、蒸した餅を笹に包んでいるのではないだろうか? 笹餅を作った時に笹の葉が余ったので、青森の笹餅も作る事にした。

ネットで調べればその作り方は知る事が出来るが、自分は求肥を作るレシピで笹餅を作る事にした。求肥は何度も作った事があるので、失敗がないと思ったからです。

  

水150ccに市販の粒あんを溶かし、自分好みの甘さにする。 もち粉100gにあんこを溶かした水を少しづつ混ぜ、だまにならない様にドロドロ状態にする。

 

ドロドロ状態になった物にラップを掛けて、700wレンジで2分間加熱するとドロドロ状態が少し固まってくる。粉っぽさがまだ残っているので、全体が均一になる様にゴムベラで混ぜる。再びラップして2分間加熱。透明感が出てきたら出来上がり。

 

それを適当な大きさに切り分け、笹の葉に包む。それを再び蒸すわけだが、すでに餅は出来上がっているので笹の風味が餅に移る程度に蒸した。

我流であるが、売られている笹餅と変わらず出来ているので間違いはないだろう。

もし来年また笹餅を作るとしたら、だんご粉を使った方が良いかもしれない。 生地はまとめられる程度まで柔らかくし、それは茹でる事にする。 たぶん、今度作る時は間違いをしないだろう!!

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