ムクドリの大群

朝、鳥の鳴き声で目が覚めた。鳴き声と書くとのどかに聞こえるが、その音は何事かと思える程の大音量であった。すぐに起きて窓の外を見ると・・・

目の前には、電線に止まった大量のムクドリが居た。写真に写っているのは自分の見える範囲で何か家の後からも鳥の声がするし、ふと目を奥にやると・・・

秋木製鋼の屋根にも大量のムクドリの姿が見える。いったい、何羽のムクドリが居るのだろう? その時、ムクドリのいる電線の下を車が通った。その音に反応して、ムクドリ達は一斉に飛び立った。この光景は見た事がある。

かつてニュースで見掛けたあの風景だ! 写真はイメージであってこれ程の大群ではないが、数百〜千数百羽位の大群の様に思えた。前にも「ムクドリが増えたなぁ〜」という思いで見た事があったが、これ程の大群を見たのは初めてであった。

以前、家の近くでムクドリが巣作りをしていた。

野鳥の営巣
家から100m程離れた場所にある木の上に、カラスの巣を見付けた。能代市では、風の松原や米代川河口付近でカラスの駆除が行われている。人家の近くに営巣する事は一番安全かもしれない。巣の場所を巡って、ムクドリとスズメの争いに見えた。思うに、スズメの巣をムクドリが・・

そして今年も同じ場所で巣作りが行われ、数羽のヒナが育っている感じが見えた。丁度ヒナが巣立ち、ムクドリの群れに加わったのだろう。ムクドリは一回の産卵で4〜7個の卵を産むというから、単純に考えると去年の3〜4倍の群れになった事になる。中川原地区は自然が豊かなので、まだ巣作りの場所として余裕があるかもしれない。そうなると、ムクドリの群れはまだまだ増え続ける事になる。そして、いつかはニュースで見る様な光景が表れるかもしれない。

ムクドリは益鳥とされている。農作物に着く害虫等を捕食し、ムクドリの家族が一年間に捕食する虫の数は百万匹以上とされている。農家にとってはありがたい事だし、自分達を不快にさせる蚊も食べてくれるのだろうか? かつてこの辺には存在しなかった黒い蚊「ヒトスジシマカ」が厄介者になっている。音も無く近づき、知らない内に食べられて猛烈な痒みを伴う。少し前に母親が草取り中に食われ「もう蚊の時期が来たのか!」と嘆いていた。もしムクドリが蚊も捕食してくれるのであれば、銅像などを建てて崇め奉りたくなる。家の周りには藪が多いので、特に蚊が繁殖し易い環境になっている。

しかし実際は、害鳥という認識が強いと思う。騒音もそうだが、糞害の方が目立っているのではないだろうか。

現状はどうなのか? と思い止まっていた電線の下を見ると、ムクドリの糞が点在していた。まだテレビで見た様な大群ではないし、当日は雨という事もあってそれ程目立たないが、これが毎日続くと糞が蓄積されてもっと目立つ様になるかもしれない。幸い自宅はムクドリの群れから離れた場所にあるためその心配はないが、電線の下にある家は今後 大変だろう。

現在は道路の拡幅によって全て伐採されてしまったが、数年前までは4本の大木がこの神社にあった。この木かげのおかげで夏は涼む事が出来たが、この木に止まる鳥の糞によって外には洗濯物を干す事が出来なかった。もし伐採されずムクドリがこれらの大木に住み着いらた、現在の我が家はどうなっていただろう? と思うと鳥肌が立つ。 地球温暖化によって、日本の夏は昔より格段に暑くなった。樹木が伐採された時、果たして夏を乗り切る事が出来るだろうか? と嘆いていたが、実際は樹木がなくなる事によって生活がし易くなった。

地球温暖化は、毎年 日本に何かしらの異常気象をもたらしている。そして今年は異常なまでの短さで梅雨が終わり、梅雨明け後の各地では猛暑日が続き40℃超えの気温も珍しくなく、6月としては考えられない気温が続いていた。 そんな中で能代はどうかというと、まだ梅雨は明けずぐずついた天気が続いていた。秋田県内でも南部は真夏日の気温になっているが能代は25℃前後の過ごし易い気温が続いている。 この天気になっているのは、梅雨前線が太平洋高気圧によって押し上げられ、津軽海峡あたりに停滞しているためです。丁度、梅雨末期の気圧配置の様に見える。梅雨末期で怖いのは、長雨や大雨になりやすい事。今から丁度50年前の、1972年7月9日に中川原堤防が決壊した。

昭和47年・中川原水害
西日本各地では連日の大雨により85名の方が亡くなり、確認されているだけでも77名の安否不明者が出た記録的災害が発生した。1972年にも、7月3日〜7月15日まで雨が降り続いた事による昭和47年7月豪雨と命名された災害が起きている。中川原水害はその時に発生した。

この経験から、雨が続くと米代川の状況が気になる。 この梅雨前線の影響で、秋田県北部には大雨警報が発表された。能代市内ではそれ程の大雨になったとは感じなかったが、上流部で大雨になると下流にある能代にその水が集まって来る。能代では雨が降らなかったと安心は出来ない。そんな思いから、大雨警報が出た場合には米代川の状況を確認しに行かなければ安心出来なくなった。

霧雨の中、米代川の水量は確実に増えていたが、十分に安心出来る水量であった。

今は、国土交通省の「川の防災情報」でリアルタイムに川の水位やその推移、ライブカメラで米代川の状況を知る事が出来る。のですが、やはり実際に目で確認をしないと安心出来ない部分がある。 1972年の堤防決壊以降、中川原堤防は嵩上げされ幅も厚くなり丈夫になった。たぶん、50年前の大雨クラスには十分に耐えられる強度になっただろう。しかし地球温暖化の影響だろうか、日本に降る雨の質が変わった様に感じる。百年に一度とか、経験した事のない大雨という言葉をニュースで多く聞く様になった。主に日本列島南部でその言葉を聞くが、それも近い内に北上してくるかもしれない。 海抜0m以下の地域に住む者にとって、水害が一番起きる可能性があり恐怖となっている。堤防が丈夫になった分その可能性は低くなったが、貯水量が増える事になり、万一発生した場合には1972年の水害より数倍の被害になる可能性が高い様に思う。中川原に住む者にとって、そのリスクは常に付きまとっている。

長く停滞していた梅雨前線も、2日には消える予報になっている。週間予報では晴れの時間帯が長くなり、7月中旬には梅雨が明けると予想されている。そうなれば、東北北部でも真夏が始まる事になる。

久しぶりの青空が見え、今までの遅れを取り戻す様に青空が広がっていく様に見える。何か「夏のかまり」がする。能代では猛暑になる日は少ないにしても、30℃超えになるのは普通になって来た。暑さに慣れていないと、やはり30℃超えは厳しい。

かつてはムクドリを見る事はないと思っていたが、去年からその存在を知り、今後は増殖していくと思われる。これも地球温暖化の影響で、北国でもムクドリが住みやすい環境になったのかもしれない。 朝に飛び立ったムクドリが、夕方になってまた電線に戻りギャーギャー鳴いている。これから揃って塒に帰るのだろう。そして朝になってまた集まり、ギャーギャーと鳴きながら飛び立って行く事が繰り返えされそうだ。 雨の中で見た糞は流された分もありあまり目立たなかったが、晴れが続くとそれが目立つ様になりやがて異臭も発生してくるかもしれない。ムクドリによる糞害が顕著になり、何か対策をしなければならない事態になるかもしれない。

 

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