ペットボトルで大根を栽培

4年位前から、家で野菜を栽培する様になりました。とはいえ、家には畑がないのでプランターや鉢で野菜を栽培する事になります。その当時は初めての野菜栽培だったので、初心者でも簡単なミニトマトから始めました。

風除室菜園始めました。
風除室で野菜を育てる事にした。植物を育てるのは、小学生以来になる。ミニトマトが初心者向けという事なのでミニトマトを育てる事にし、とりあえず1鉢だけ試験的に始めた。以前「千果」という品種が美味しかったのでこの品種の苗を購入した。苗以外は、全て100均で・・

畳2枚分程の風除室があるので、ここを温室代わりにして利用する事にしました。(一応は玄関なのですが、滅多に使わない開かずの玄関) しかし・・

にわか百姓の憂鬱
風除室菜園を始めて初めて収穫する事が出来た。しかし、野菜栽培の経過は良いものではない。ミニトマト・枝豆・きゅうり・ラディッシュ、全ての発育が不全の様にかんじる。何に原因があるのか分からないまま、その状態は続く。過保護に育て過ぎた事が原因だろうか?・・

そこでの栽培はけして良い物ではありませんでした。収穫は確かにあったのですが、ミニトマトはまばらに実が付き、テレビ等で見る物とはほど遠い状況でした。 同時期に植えたきゅうりも、2〜3本の収穫で終わりました。この時の苗は産直で購入したのですが、この収量では全然採算が合わないので、それ以降は栽培をやめました。

枝豆も鉢で栽培をした事がありました。この時も収量は良くありませんでした。しかも、全然美味しくない枝豆に育った。結果的にはずんだあんに加工したので、美味しく頂く事は出来たのですが・・

二十日大根は、根本的な栽培の仕方が間違っていたので、翌年からは問題なく栽培する事が出来ました。キレイで完璧な二十日大根は1〜2個しか収穫出来ませんが、イビツでも食べる事に問題はありません。 その後も何かかしらの野菜の栽培は続けていたのですが、これまでにまともな収穫のあったのは二十日大根だけで、これだけは毎年栽培を続けています。 たぶん自分のやり方に問題があるのだと思いますが、やはり鉢やプランターで野菜を栽培するのは難しいと思います。無駄な労力を掛けなくても、購入して食べた方がはるかに美味しくて安い物を食べる事が出来る。

今年は、大根を育てようと思った。(めげずに) 大根には味が付いていないので、不味く育つ心配がないと思いました。それと、夏にかけて大根は高値になるので、うまく育てば採算が合うのでは? と思った。反対に冬の大根は産直でB品が一山100円位で販売されているので、こちらは購入した方が安く済むのでは? と考えた。 大根は年中使うので、夏に収穫できる春蒔き用の大根の種を購入しました。

 

ダイソーから購入した物で、2袋で110円でした。ホームセンター等で購入すると1袋200円以上するので、かなりお得に思えた。ただ、1袋に入っている種の量が少ないので、量で換算するとそれ程は違わないかもしれません。でも少量の種で十分なので、自分にとってはダイソーの種の方が都合が良いです。 ちなみに、産地は韓国です。

家には畑が無いので、やはり鉢かプランターでの栽培になります。ただ、大根は30cm以上に成長するためかなり深い容器が必要になり、それに合う鉢やプランターは当然値段が高くなります。そこで思い付いたのが、大きいペットボトルを鉢の代わりに出来ないか? と思いました。

身近にあって多く入手出来るのが、2.7㍑の焼酎のペットボトルでした。

 

4㍑の物もあってそっちが余裕があると思ったのですが、4㍑のペットボトルには持ち易い様に取手が付いていました。その分 上部が細くなっていて、2.7㍑のペットボトルより開口部が細い様に感じました。探せばもっと適当なペットボトルがあるかもしれませんが、日常的に使うものとして焼酎のペットボトルが一番良かった。

 

ペットボトル上部の細くなる部分から、ディスクグラインダーで切断しました。素材が柔らかいので何を使っても切断が可能と思うのですが、ディスクグラインダーを使うと簡単に切断が出来る。 切断されたペットボトルの深さは240mmです。もう少し深さが欲しかったのですが、この条件の鉢を購入すると200円以上するので大量に購入するとそれだけ経費が掛かる。ペットボトルは0円だから・・

 

切断した部分から下を見ると、持ち手の部分が少し凹んでいます。使い手に持ち易い様に凹ませていると思いますが、理想としては寸胴の方が良い。 ま、廃品利用だから仕方がない・・・

 

ペットボトルの底に、水はけが良くなる様に穴を開けました。

 

そうして作ったペットボトルが18本。 こうして見ると大酒飲みの様に見えますけど、これは去年からストックしていた物です。その時期に、ペットボトル栽培を思い付いた。

 

このペットボトルを4本束にしました。こうすると、移動する際に一度に運べると思ったからです。からぽやみは、いかに楽するかを優先的に考える。

鉢やプランターに土を入れる際、土砂流出防止と水はけを良くするために底へ小石等を入れますが、ペットボトルも同じ様にしなければいけません。しかし、ペットボトルの深さが思った以上になかったので、出来るだけ土の容量を多くする必要があります。 そこで・・・

 

ダイソーから、不織布シートを購入しました。これを小石の代わりに敷いて、底からの土砂の流出を防ぎます。

 

不織布は適当な大きさにカットして、ペットボトルの底に敷きました。これで敷石の代わりになるはず! しかも厚みがないため、土の容量を増やす事が出来ます。

土は、再生土を利用しました。

 

この土は、これまでの栽培に使った土を天日乾燥させて殺菌し、根っこ等の不純物を取り除いて保管していた物です。

 

この土に、ダイソーから購入した「古い土の再生材」「肥料類」そして、新しい培養土を混ぜ合わせます。

 

ブレンドはかなりアバウト。今までの野菜作りに失敗しているのは、たぶん土作りにも問題があったと思います。そうとは思っているのですが、古い土の量を計るのは困難だし面倒臭い・・・

ブレンドした土をペットボトルに詰めて種を植えます。

 

この際に失敗した事が・・・・  完全に乾燥した土は、中々水を吸いません。ペットボトルに土を詰めてから水を掛けても、隅々までは水が浸透せずに底から排出されました。そのため、隅々まで浸透させるのにかなりの時間が掛かりました。まずは、土に水を十分に浸透させてから、ペットボトルに土を詰めるべきだった。

種蒔きは、4月24日に行いました。大根の種は、一本に付き2粒づつ植えました。この内、弱い方の苗を間引きして、ペットボトル一本に付き大根一本を栽培します。

 

5月3日、種を植えて10日後の状態です。発芽しなかった種は3粒で、発芽率は92%です。 ペットボトルを置いている場所は風除室で、温室効果で発芽を促しました。双葉が出てからは外に出して日光浴をさせ、朝晩はまだ寒さが残っているので夜はまた風除室に戻します。 この状態で成長を見続け、間引きする苗を決めます。

5月11日、本葉が出揃いました。ここで弱そうな苗を間引きして、一本に付き一つの苗を育てます。中には二つとも強そうな苗が育ったり、二つとも弱そうな苗が育ったモノもあった。そこで、弱そうなモノは間引きして、そこに強そうなモノを移植しました。 しかし・・・

 

移植のやり方が悪かったのか、術後の経過が良くありません。このまま枯れてしまうのでは? と、心配になった。移植する際に、根に傷を付けてしまったのだろうか?

本葉が出揃った頃、茎が隠れる程に盛り土をしました。これは二十日大根を栽培した時に学んだ事。大根もそうした方が良いのでは? と思った。ただ、ペットボトルの縁までの猶予が足りなかった。縁ギリギリまで土が盛られてしまいました。ペットボトルに土を入れる時には、縁から50mm位下まで土を入れた方が良かったです。

 

5月29日、種を植えて35日後の状態です。大根らしい葉っぱが出揃い、心配した苗も生き延びました。 この状態では連結したペットボトルで栽培が出来ないため全て切り離しました。畑では一定の距離を開けて種を蒔くため、ペットボトル栽培でも葉が重ならない様にして光合成をさせます。 日中は外に出して、日が陰る頃に風除室に移動させる日が続きます。まだ朝晩は寒いし、虫が付く心配がある。(これも過保護だろうか?)

日々、大根は成長して行く。そんな中、虫が目立つ様になって来ました。

 

この虫は「カブラハバチ」の様でした。この虫が確認された後、間もなく黒い幼虫が見られる様になった。一、二匹の内は取って抹殺していたのですが、一晩でその数が急激に増えた時には「もう農薬しかない!」 無農薬で育てたかったのですが、すでに猶予はなかった。虫に好き勝手に葉っぱを食われたのでは大根が育たない。すぐに農薬を散布。

 

以前に購入して、効果は確認済み。 散布後は効果が絶大で、黒い幼虫はすっかり姿を消した。カブラハバチの成虫が大根に近づくのですが、黒い幼虫は発生しなくなりました。

6月13日 種を撒いて50日後、大根の根元が膨らみ始めて大根らしくなってきました。そんな状況の時・・・

 

家のすぐ裏の畑にタヌキ? が出現! まだ農作物が育っていない中、家の大根が食い荒らされないだろうか? すごく不安!

何か、大根の葉が食害に合う事が多くなりました。その頃、モンシロチョウがやたらと大根の上を飛んでいた。その後に、モンシロチョウも大根の敵である事を知りました。自分にとってモンシロチョウといえばキャベツという頭があって、実際に小学校で習って観察も行った。家の近くにはキャベツ畑があって、わざわざ家まで来なくても良いのに。

 

青虫は、一日に10匹前後を捕獲する日が続きました。一度見回って全てを捕獲したと思っても、もう一度見回るとまた数匹の青虫を見付ける。保護色によって見逃した個体だろう。特に小さい青虫は見付け辛く、それが丸々と太った大きな青虫まで成長する。見た目はカブラハバチの方がグロテスクですが、黒い幼虫であるためすぐに見付ける事が出来る。そういう意味では、青虫の方が始末が悪い。ここでもう一度農薬を! と思ったが、大根も随分と成長して来たし、あと少しの辛抱と思い見つけ次第排除する事に決めた。無農薬で育てたいという気持ちもあったし。(一度農薬を使ったので、無農薬野菜ではないのですが・・)

 

6月26日 種を撒いてから丁度2ヶ月が経ちました。すでにもう店で見る大根です。

 

以前、苗を移植してから葉が萎れて瀕死の状態にあった大根です。その後も他の大根より成長が遅れましたが、小さいながらも何とか大根になりました。

 

一番大きく成長している大根を見ると、土がペットボトルから溢れ出る位に盛り上がって来ています。土の中で大根が成長している証だろう。土の深さを得るため、縁ギリギリまで土を詰めた結果です。でも不思議と、水面張力ではないが土はこぼれ落ちません。

種の袋には種を撒いて3ヶ月後位が収穫時と書かれていたのですが、一度に収穫しても食べ切れないので、この一番大きく成長した大根を収穫してみる事にしました。

 

土から出ている部分は店で見る大根と変わらない様に見えたのですが、土に埋もれていた部分は随分と細い。種の袋には「総太り」と書かれていたので、まだ成長途中なのかもしれない。 初めて収穫した大根は、可食部で太さが60mm長さが290mmありました。

初収穫の大根を食べてみました。夏大根は辛い! と聞いたので、どの位辛いか大根の先の方(大根は葉っぱ側より根っこ側の方が辛い)を大根おろしにして食べてみました。 結果は・・・  やはり店で売っている大根よりかなり辛い。自分にとっては好みの辛さだったのですが、嫁さんと母親は「辛い〜〜!」と言っていました。ま、使い方を考えると何とかなるだろう。

大根を切ったときにも、今までの大根とは違う感覚がありました。 大根はサクサクとみずみずしいと思うのですが、この大根はゴリゴリッという感覚で、固く水分が少ない。まだ成長途中だからだろうか? それとも、これが夏大根の特徴なのだろうか? あと、皮のあたりが筋張っている。大根おろしにするとあまり感じませんが、煮物にすると口残りが悪い。そのため、通常の大根より厚く皮を剥く必要があります。それが夏大根の特徴なのか、ペットボトルという特殊な環境で栽培された影響なのかは分かりません。 感覚としては、辛味大根に似ている様な気がします。

随時 収穫して行きますが、6月24日時点で17本の大根が成長途中です。あまり成長しすぎると、大根にスが入る可能性が高くなる。そうなると、食感がわるく不味くなる。 そうなる前に、保存の事も考える事になるかもしれない。

大量の大根〜切干大根作り
温泉施設ゆうぱるの館内では野菜が販売されており、5本で300円の大根を購入した。訳ありの大根で、放置していたら表面が黒ずんで来た。そのため、早急に加工する必要があった。そこで購入した半分を切干大根にする事にした。そして、残りの大根も全て・・

その時に作った切り干し大根を戻しました。4年前に本乾させ、冷蔵庫に保管していました。カビや変色する事もなく、良い状態で保存出来ていました。調理して食べましたが、品質に問題は感じませんでした。 どうしても消費できなければ、切り干し大根にする方法もある。 今回収穫した大根で、べったら漬も作ってみました。 「キッコーヒメ 秋田美人」は冬期限定商品で現時点では販売されていないのですが、春に処分価格の物を冷凍保存していたのでそれを使いました。 甘さの中に辛味があって、この大根はべったら漬にするとまちがいなく美味しい。

今回のペットボトルで栽培した事で、失敗したと感じた事があります。 ペットボトルを切断した時にバリが出たのですが、そのバリをいい加減に取ったせいで縁にギザギザが残ってしまった。大根の葉が広がった時に、風などで葉がその部分に当たった時に葉にキズが付いたり折れてしまった物もあった。バリは丁寧に取り除くか、テープなどで養生をする必要があると感じました。

苗の移植で失敗した。次にやるとしたら、苗ポットに種を植えて、それをそのままペットボトルに移植した方が良いと感じた。その際に土は、ペットボトルの縁より50mm下になる様に植える事。本葉が出てから、茎に土を覆う必要がある。

これが正解かは分かりませんが、肥料を頻繁に与えた。ペットボトルが小さかったので、土の量が根本的に足りないと思います。かといって肥料を与えすぎると肥料やけを起こして枯れてしまうので、水を与える際に液体肥料を薄めて与えていました。水耕栽培に似ているのかな? と、自分は思っています。

 

7月21日に収穫した大根。 左 太さ70mm 長さ220mm 右 太さ65mm 長さ190mm(いずれも可食部)種の袋に記載されていた収穫の目安3ヶ月目ですが、先に収穫した物とあまり違いは見えない。少し土に埋まっていた部分が太くなったのかな?

 

7月29日に収穫した大根。 18本のペットボトルに植えた内、3本が左の様な二股に育ち大きく育たなかった。何に問題があったのだろう?

 

青虫の発生は止まらない。しかも、若芽の柔らかそうな葉によく付く。その都度駆除しました。

 

8月19日に収穫した大根。この6本が最後の収穫になりました。その内、2本は腐っていました。種を撒いて4ヶ月目の大根ですが、心配したスは発生しませんでした。しかし、残り4本の大根は中が少し変色していた様に感じました。食べても問題が無かったかもしれませんが、少し気味が悪かったので全て廃棄しました。 4ヶ月経っても、大きさに違いは無い様に感じました。

ペットボトルで大根を栽培してみて、意外と下に成長しない事が分かった。思うに、大根が太ると土が圧縮されて固くなったのだろうか? そのため、太る事も下に伸びる事も困難だったのかもしれない。実際、ペットボトルから土を取り出す時、固まって中々取り出す事が出来なかった。土に砂などを混ぜて固まり辛くする事が必要かな?

ペットボトルで大根は栽培出来るか? 結果として、十分に可能だと感じました。ただ、期待した大根にはならず、ま、辛味大根だと思えばそれはそれなりに良いと思います。 次回挑戦するとしたら、土質を変える必要がある。あと、農薬は適時に使った方が良い。 大根がそれなりに育ったのだから、他の野菜も可能ではないか? 例えば、人参とかもやってみたい気になりました。

 

大根に10日以上居着いていたカマキリ。 いつの間にかいないと思っていたが、大根を全て抜いた時に地面に落ちていた。葉の影に隠れていたのだろう。 何を食べていたのだろう。青虫? それとも卵を産みに来ていた虫? だとしたら、大根の守り神であった。

 

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