冬の水害

今週に入り、日本海にある低気圧が発達した。それにより寒気が入り込み、山陰や北陸では大雪になったという。福岡でも雪が降り、これが初雪になったという。観測史上、最も遅い初雪だという。 これも、暖冬の影響だろう。

秋田県でも大荒れの天気となり、こちらでは雨が降った。
16日の晩から17日にかけて風雨が強まり、ゴーッゴーッと吹き叫んでいた。気温はそれほど下がらなかったが、音を聞くだけで寒く感じた。この大雨の影響で秋田市では水害が発生し、11棟が床上浸水し2棟が床下浸水した。また、市道で80cm位の冠水した事がニュースで流れていた。原因は大雨によるものだが、川につながる水門の何かが外れ閉まった状態になったままだったという。水害の時期になると防災設備の点検などを行うと思うが、まさか今の時期に? という油断が今回の水害を生んだ事になる。
その他にも、新城川や三種川が氾濫危険水位を越えたという事がニュースで流れていたが、ここは大雨になるといつもニュースで流れる。何らかの対策はしていると思うが、中々進んでいないのだろうか。

冬の水害で怖い所は、降雨の影響だけでなく雪解けによる水位の上昇もある。積もった雪が雨によって溶け、降雨量以上に水位が上がる事に驚く。それでも今年は暖冬の影響で積雪がほとんど無く、大雨でもそれほどの被害が出なかった様に感じる。

昭和20年3月22日に、青森県で雪解けによる大きな水害が発生した。

鶴田要一郎さんが書いた「岩壁」という本に、その時の様子が詳しく書かれている。
鶴田さんは、鰺ヶ沢一ツ森町に生まれ学校の先生だった様です。「岩壁」の他「赤石マタギ」等々、一ツ森町周辺の事を何冊か書かれている。自分は、とても興味を持って読んだ。
この水害は、青森県西津軽郡赤石村大字大然(現在の鰺ヶ沢町)で発生した。 大然には当時21戸あり、20戸が流失または埋没した。住民は109名いたが、一ツ森町の1名を加え88名の方が亡くなった。
昭和20年は豪雪で、大然では3mの積雪がありその上流部ではそれ以上の積雪があったとされている。 大然より上流には険しい山になっている所が多く、豪雨によりいくつかの雪崩が発生した。その雪が川を堰き止め、自然のダムが作られた。その後も雨や融雪により雪によるダムの水位が増し、昭和20年3月22日午後11時頃にその雪のダムは決壊した。
それは普通の水害とは違い、雪や土砂の混じった土石流の様なモノであっただろう。就寝時に襲われた事から、その被害は特に大きくなった。今回、秋田市で起きた水害とは全然違う種類の水害ではあるが、豪雪時に今回の様な大雨になれば川の水位はもっと増えただろう。

今年は雪が少ないと喜んでいたが、春には水不足が心配されている。
世界的な異常気象の中では、今後何が起こるか分からない。
今現在、外では風雨になっている。まだ冬ではあるが、吹雪ではなく台風の様だ。

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