公設市場の閉店


昭和51年4月 営業開始
敷地面積 1,248.65㎡  駐車場 55台分
建物 鉄筋2階建て
平成 8年3月 店内全面改装
店舗数の減少(18店舗から7店舗に)
「対面販売」 から 「レジ一括精算」 に体制を切り替え
平成19年3月 店内天井補強工事
平成19年4月 能代市管轄から民営化へ
「能代市公設小売市場 協同組合」 から 「能代駅前市場 協同組合」 に名称変更
7月4日で能代駅前市場が閉店をした。

2007年に、公共施設の民間移管を進める中で、公設小売市場協同組合に建物を無償譲渡された。その際に、名称を駅前市場に変えたが 公設 の名前に馴染みがある。無償譲渡された建物であるが、築30年以上経っている建物ゆえ、色々修繕等の必要があったのではないだろうか。

公設市場は、1976年に駅前で開店した。開店当初は300坪の売り場に18店舗が入っていたが、数年前には7店舗までに減少し、やがて経営者の高齢化などにより3店舗まで減少していた。 今年の2月に、基幹である鮮魚店が諸々の事情により急に撤退が決まった。客足が減る中で売り場の半分以上が使われない状態では、残り2店舗にかかる建物の維持管理費・地代等が経営を圧迫し存続を断念した様です。 鮮魚店が撤退した時点で存続不能と考え、新しい店舗の準備や一般食品の在庫処分に時間を費やし、7月4日で完全閉店となった訳です。

公設市場の出来た当時は、盆・正月になれば公設市場に来る客であふれ、駅前は車の渋滞で身動きの取れない状態だった。最盛期の売上は、年商で18億円以上あったという。年度や業態に少し違いはあるが、経産省の「商業統計・業務別統計」によると、食品スーパーの年間坪売上目標が300万円となっている。公設市場は300坪なので、単純に売上目標は9億円という計算になる。実に目標の倍以上の売上を確保していた、超優良店であった事が分かる。しかし公設市場が開店して10年後位から、郊外に店舗が出来始め客が分散される様になってきた。そのため、駅前の渋滞を見る事はなくなった。その後は、郊外への出店が加速されていった。その結果、街のドーナッツ化現象がおこった。

現在は、中心市街地にスーパーマーケットの様な物は1店舗しか営業をしていない。公設市場の閉店により、一番困るのは近隣の高齢者達です。交通の便が悪く、自動車を運転が出来ない人は郊外に買い物へ行く事が難しいからです。一応巡回バスが運行しているのですが、あまり役に立っているとは思えない。
残った2店舗の今後は、駅前で新たに営業を再開する様です。


本来であれば一画に生鮮三品が揃う事を理想と思うが、100m以内の距離に生鮮三品が揃うので、利用する事にさほど不便を感じないかもしれない。

中心街が寂れると、街全体が寂れている感じに見える。駅前には何も無いし、商店街も今はシャッター通りになっている。かつて大型店のあった通りも、撤退後は寂しい。中心市街地のドーナッツ化現象を招いた原因は、バイパス沿いへ安易に出店を許していた市の対応にも問題があったと思っている。 中心市街地の活性化は、大手術でもしない限りは無理だと思っている。せめて、誰でも買い物が出来る交通体系を整備してみてはどうだろうか?

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