今年は、田代へタケノコ採りに行って来ました。
田代は、大館市(旧田代町)の田代岳麓一帯の事です。 国道7号線 田代岩瀬から山瀬ダム方面へ向かいます。ずいぶん前にも何度か来た事があったのですが、自分ら「ケドバタ捜索隊」にとっては容易な場所でありませんでした。しかも田代岳一帯は、タケノコシーズンになると入山料(一人1000円)が徴収されるため自分らの採り方では割が合わなく、採る場所が限られていました。そのため、収穫量も質も良いタケノコではありませんでした。その後 色々と探索した結果、十和田湖方面の熊取平でケドバタ捜索隊に相応しい場所を見付けました。以降は、その熊取平でタケノコ採りをする様になりました。それは、30年位前の事です。
2016年5月から6月にかけて熊取平周辺で熊の襲撃事件が発生し、4名の死者が出ました。(詳しくは「十和利山熊襲撃事件」で検索すると知る事が出来ます) 事件発生から3年間は怖くて行く事が出来なかったのですが、ほとぼりが冷めたと感じた頃からまた行き始めたのが・・・
あの事件以降、問題は発生しなかったと思っていたのですが・・・
熊取平には巡視員が付いて、タケノコ採りに入る事が出来なくなりました。
秋田県で主に採られるタケノコは「ネマガリダケ」といって、直径1.5〜3cm程の細いタケノコです。商品名は「細竹」「姫竹」と呼ばれるササダケの一種です。山に入ればどこにでもあるのですが、それなりの質を求めるとケドバタ捜索隊には困難に感じます。そのため、熊取平はケドバタ捜索隊にとって絶好の場所だったのです。
田代では入山料が徴収されていたのですが、いつの頃からか入山料が徴収されていない事を知りました。 5月10日頃、他の山菜採りを目的に確かめに行って来ました。
以前は糸滝の公園の先にプレハブの徴収小屋が建てられ、そこに人が付いて料金が徴収されていました。タケノコシーズン前から小屋は建てられて準備がされていたのですが、今年はその気配がなく情報は本当だと感じました。
田代へは、5月22日にタケノコ採りを目的に行って来ました。時期的に少し早いかな? と思ったのですが、今年は雪が少なく気温も高い日が続いた。2日前には雨も降ったので、たぶんあるかもしれない! と感じた。
田代の目的地までは、車で2時間以上掛かります。国道7号線 岩瀬までは50分程で着くのですが、そこから目的地までが長い。熊取平へ行くのも同じ位の時間が掛かりますが、たぶん田代の方が距離的には遙かに短いはず。掛かる時間が同じなのは、細い道や林道が多いためだろう。一方の熊取平は、国道から数百メートルで目的地に着きます。そういった意味でも、熊取平の方が楽に感じます。
糸滝の公園までは道路が舗装されている部分が多いので比較的走り易い。しかし、その先からは砂利道の林道になっています。その林道の先には田代ロケット実験場があるので、林道としては道幅が広い様に感じます。そのため、車がすれ違えないというストレスは感じません。林道脇には渓流があり、ドライブとしても楽しめる良い環境です。でもガードレールはないから、よそ見運転をしていると崖から落ちる危険性はあります。 快適なドライブで竹薮を探すが、ケドバタ捜索隊の条件に合う所は中々見付からない。他の車も先へ先へと向かう。目的地はまだまだ先の様です。
しばらく走ると、ロケット実験場の辺りに着きました。しかしその先からは、道幅が急に狭くなる。車がすれ違えない程の狭さだ。そしてこの先から、駐車出来るスペースに車が停まっている。一帯が竹薮になっており、最初の採取場所の様です。
だが、そこには事件現場で見られる立入禁止の規制線が張られている。この先には、国家機密があるためだろう。しかし、タケノコ採りの人々はそれを無視して入り込んでいる。つまり、スパイでも容易に入り込めるという事になる。
ずっと、サイレンの様な電子音が聞こえる。竹藪に入っても出口が分かる様に、入った所に拡声器が設置されていた。ケドバタ捜索隊にとって、この場所でタケノコを採るのは困難な事です。しかも、対向車とすれ違えない道幅のストレスから、この先に進む事はあきらめて戻る事にしました。この先に進むには、よほどの準備がないとタケノコ採りが出来ないと感じたから・・・
今回タケノコを採りに行った田代林道は、正式名称を「峰越連絡林道田代相馬線」といいます。
少し分かり辛い地図ですが、田代岳を囲う様に岩瀬側から入る田代林道と、早口側から入る早口林道があります。二つの林道が県境辺り(赤四角部分)で合流し、長慶峠を越えて青森県相馬村に出る全長52.5km(内ダート36.4km)の長い林道です。林道ですから林業を目的とした道路と思われますが、田代岳登山口へのアクセスとしても利用されています。また、ダム建設やロケット実験場建設にも活用されたと思います。隣県への近道として活用する考えもあったと思いますが、現在は高速道路も整備されているため、林道を通るよりも遙かに早く安全に移動出来ると感じる。 田代林道には、もう一本県境を超える林道がありました。赤丸で囲んだ所です。
yahoo地図では不鮮明なので、1/50000地図の写真を載せました。GoogleMapなどの最新の地図には載っていない道路です。1/50000地図は、オフロードツーリングで必需品でした。そのため、一番使った秋田県版はボロボロです。
青森県弘前市久渡寺から、三ッ森峠を越えて田代林道へ合流する林道です。かつて、一度だけオフロードバイクで通った事がありました。その道路の荒れ方は酷く、所々にある水たまりはオフロードバイクの半分が水没する深さでした。その程度であれば走れない事はないのですが、ソロツーリングであったため不安に思って引き返した事がありました。それでも、誰かが通った痕跡がありました。たぶん、トラクターかな? と思われるタイヤ痕でした。 後日 その林道の事を調べて、実際にバイクで走破した人のレポートを見た事がありました。そこには、かなり苦戦した様子が書かれていました。それから数十年も経っているので、現在では通行不能ではないかと思います。(徒歩であれば可能かな?) かつてはスーパー林道が多くつくられ、白神の青秋林道もその一端となる所でした。しかし、現在では通行不能になっているスーパー林道が多いと思います。その件について書き始めると本題からズレて長くなるので、本題に戻ります。
タケノコ採りのいる場所は避け、少し下った場所の広場に車を駐めて辺りを探してみる事にしました。自分は視界に入る物しか採らないので、採取範囲がとても狭い。先に人が入っていると、すでに採られている可能性が高い。その分は、車による移動で多くの場所を探さなければならない。
写真の右側が広場になっていて、その奥が竹藪になっています。ここが田代岳荒沢登山口の駐車場の様ですが、数十年前に登山に来た時とは印象が変わっていた様に思った。道の左側が崖の様になっており、少し竹藪が見えます。この部分は細い竹で、良質のタケノコは期待できません。この上部に太い竹がないかと探しながら移動します。しかし、まだ時期が早かったせいかタケノコは中々見付からない。
タケノコを見付けると、それを目掛けて切り立った藪を這い登る事になります。斜度は60度以上あるだろうか? そこに生えている木の枝や竹を掴みながら上部に上がります。這い登るというより、攀じ登る感じです。そこに蔦や枝・竹などが絡んで来ると、身動きが取れない状態になってくる。この時に一番体力を使う。上部に出ると藪が緩むので、上下にタケノコを探しならが道に沿ってトラバースして移動する。崖は、二階位の高さだろうか。仮に足を滑らせても滑落する心配は無いし、道路沿いに移動している限りは遭難の心配もない。これが、ケドバタ捜索隊のやり方。
タケノコは4〜5本とまとまって生えている事が多い。しかし、最盛期前なのか場所が悪いのか、まばらに1本づつ生えている事が多かった。やはり、竹の密度の高い藪の方がタケノコが多く生える。しかし、そこには困難が付いて来る。「からぽやみ」はそれをとても嫌うのです。 ちなみに、右側の広場の奥にある藪は、その下が道路になっている様に見えた。藪を下に真っ直ぐに進めば、遭難の心配は少ない様に思えました。今度行く時は、そっちも見てみようと考えた。
今回の収穫! タケノコは期待以上に採れたと思う。缶詰などの加工に回す程はないが、親類におすそ分け出来る程には十分な量です。タケノコの質も悪くはない。 ゼンマイとウドは時期的に終わりなのですが、標高が高いせいかまだ収穫する事が出来ました。しかも、質が中々良い。 帰る途中に、ワラビの生えている場所を見付けた。時期的に早かったのか量は少なかったが、とても質の良いワラビです。ワラビのホダが多く見えたので、今後に期待!
5月18日、十和田樹海ラインでタケノコ採りの遭難が相次いで報告されました。一人は能代市の女性で、翌日 自力で下山し無事発見されました。ほぼ同じ場所で、15日に青森県の男性が行方不明になった。18日に倒れている人がいると通報を受け警察官が行方不明者を運び出そうとした所、二名の警察官が熊に襲われてケガを負った。その様な状況のため現場に近づけず、重機によって道を作り現場まで車が入り込める様にした。そして、22日に遺体は収容されました。
これは今回の遭難事件の概要ですが、遺体には熊に襲われたと思われるキズがあった。 タケノコ採りは、熊と遭遇する確率が高くなる。なぜならば、熊もネマガリダケが好物だからです。つまり、タケノコの多く生える場所には熊が居て、そこで鉢合わせする可能性が高くなる。通常は音を立てて自分の位置を熊に知らせていれば熊が遭遇を避けてくれる場合もありますが、親子熊の場合は子を守るため逆に襲って来る可能性がある。 熊が人を襲う理由は3つある様です。
①鉢合わせした際に、パニックになって人を襲う。ツキノワグマはとても臆病です。
②子を守るために人を襲う。これは、鉢合わせしなくても気配を感じたら向こうから襲って来る。
③人間を食料として認識している。つまり、人食い熊です。熊は通常ベジタリアンですが、雑食性で死肉なども食べる事がある。たまたま遭難者を見付けて食べてしまった。あるいは遭難者を食べている母熊を見た子熊が、人間は食料であると認識する様になる。それが成獣になると、人間狩りを行う様になる。その可能性は低いが、ありえない事ではない。
今回の熊は、人間を食料として認識していたのではないか? 遭難者のキズの状態が分からないので違うかもしれないが、収容に来た警察官を襲ったのは、エサが取られると熊が思ったのでは無いか? と、ふと感じました。熊は、とても執着心が強いらしい。
18日に人を襲った熊は、28日現在でまだ捕まっていない。
事件現場一帯は、20日に入山禁止が決定した。しかしその後も、ここにタケノコ採りが入っている事がテレビのニュースで流れていた。たぶん事件の事は知っていると思うのですが、怖くないのだろうか?
能代市東能代で熊が出没した!
現場は第五小学校が近くにある住宅や田園が広がっている場所で、近くの森林までは1km以上ある様に思います。どういう経路で侵入したのだろうか? 去年も能代の市街地に熊が出没しました。
北羽新報上では、今年も毎日の様に熊の出没記事が目に付く。熊は里に住み着いている様に感じます。
北海道でも熊の被害が多く聞かれる。しかもそれはヒグマで、ツキノワグマより大きく凶暴だ! もっとも、ツキノワグマも人間が素手で敵う相手ではない。 では、なぜそういう状況になったのだろう。一番の原因は、熊の頭数が増えた事にある。熊の行動範囲は広いため、はじかれる様に新たに縄張りを求めて出て来なければならなくなった。それが結果的に人里に出る事になった。 昔は狩猟を生業とする「マタギ」がいたため里に出る事は自殺行為でしたが、マタギも現在は数える程しかいなくなった。ハンターと呼ばれる人も、高齢化によって減少している。つまり、熊にとって敵がいなくなったのです。親と共に行動して来た子熊は人里が危険でない事を学び、人は怖くないものと認識して住み着く様になる。それが一年後には成獣となって、人に危害を加えてしまう。 去年 子熊が駆除された事によって、それに対するクレームがすごかった。確かに子熊はかわいいが、人里を覚えた子熊を放置すると翌年から大変な事になる。
この事は、山の中でも起こりうるかもしれない。 山菜採りの人は鈴やラジオを鳴らしながら山に入る人が多いが、人間を恐れなくなるとそれは無意味になる。山菜採りは多くの山菜を所持していると熊が学んだら、はたしてどうなるだろう? つまり、山菜採りを襲えば楽にエサを手に入れる事が出来る。そうなれば、鈴やラジオは自分の位置を知らせる事になるので逆効果になる。そういう熊がいるのかは分からないが、熊も十人十色、頭数が増えれば突然変異的に出現するかもしれない。
田代では熊による被害は聞いていませんが、多くの熊が生息している事は確実です。たぶん、生息数も増えていると思います。まだ被害が報告されていないだけで、いつ起こるか分からない危険性が田代にもあると感じます。
コメント