コロナ禍の祭り

去年からの全国的な新型コロナウィルスの蔓延により、ほとんどの祭りやイベントが中止になった。秋田県では感染者が少ないとはいえ、感染防止の観点からそれらの多くが中止された。コロナウィルスの抑制が効かず第5波に入っている今年の夏、中止になった祭りやイベントも多くあるが、感染対策を講じて開催される祭りやイベントが多くなった様に感じた。その一つの例が、オリンピックだろう。

能代の場合、感染者は数人程度と少ない状況ではあったが、去年の祭りやイベントは全て中止になった。全国的な風潮と、ワクチンや特効薬が無い状況で感染拡大を防止出来るという確実性がなかったからかもしれない。 そして今年の夏は、いくつかのイベントや祭りが開催される事になった。

能代の祭りは、7月20日過ぎから8月7日の2週間程に集中している。花火大会から始まり、7月26・27日の能代祭典。8月2日のこども七夕、8月3・4日の天空の不夜城、8月6・7日の役七夕で能代の祭りは終わる。1984年から始まった「おなごりフェスティバル」は、諸々の事情から去年で最終回を迎えるはずであった。しかし去年の開催中止が決まり、最終回が行われないままにおなごりフェスティバルは終了した。全国的に有名な祭りを招待して行われるイベントであるため能代の祭りとは思っていないが、能代で行われる祭りの中で一番集客力があると思う。

第30回おなごりフェスティバルin能代2017
おなごりが畠町通りで開催され、県内外から12団体が参集した。毎年、おなごりが終わった事で夏祭りが終わり秋を向かえる感じになります。おなごりには、天空の不夜城が参加していない。畠町通りには電線があるので運行が出来ないためです。その打開策を考えてみた・・

7月10日の晩に、夜空に一発の轟音が鳴り響いた。何事かと思い窓の外を見ると、花火が打ち上げられていた。翌日には「能代みなと祭り」が行われるため、その前夜祭だろうか? と思いながら見ていた。

以前にもサプライズ花火が打ち上げられた事が何度かあり、すぐに終わるだろうと思いながら見ていた。しかし今回のサプライズ花火は中々盛大でかなり見応えのある花火で、30分以上にも渡り打ち上げられた。例年の花火大会にも劣らない規模の打ち上げ花火に感じ、十分に満足が出来る様に感じた。 翌日の新聞を見ると約5000発の花火が打ち上げられた様で、このサプライズ花火を企画したのは風力発電事業6社によるものであった。現在 能代沖では洋上風力発電所の建設が行われており、そのPRと建設に掛かる様々な問題を払拭させるための企画だろう。自治体や団体等が行う企画とは違い、やはり大企業の資金力は大きいと感じた。6社は、翌日のみなと祭りにも協賛していると思う。

去年のみなと祭りは、コロナ蔓延防止の観点から中止になった。今年は、ワクチン接種が始まった事や感染予防対策もある程度確立されたという事で、例年は5千トン岸壁で行われていたものを、より広い4万トン岸壁を使用して行われた。そしてこのみなと祭りには、約5000人が訪れた様です。毎年みなと祭りには海上自衛艦が入港し艦内を見学出来たのですが、今年はコロナ対策のため艦内見学はなかった。 2006年まではこの4万トン岸壁でみなと祭りが行われていたのですが、翌年からは5千トン岸壁が使われる様になった。その理由として、テロ対策のためと記憶している。2001年のアメリカ同時多発テロ以降、港や重要施設の警備が強化された様に感じた。4万トン岸壁にはフェンスが張られ、入口に守衛がつく様になった。ただ、能代の施設を攻撃する様なテロ集団がいるだろうか?

「花火大会」と「天空の不夜城」は、コロナ対策のため中止になった。いずれも、県内外からの不特定多数の客が集まるためだろう。しかし、去年は中止になった「役七夕」は運行する事が決まった。役七夕の場合、地域の行事みたいなもので観光を目的としていない。今年は感染防止対策を講じた上で、人員縮小や関係町内をくまなく回らず簡略化する様です。前回は5時間40分掛かったものが、今回は2時間弱で終わらせる様です。役七夕の場合、これ程神経質になる必要があるのだろうか? と自分は思う。 役七夕は「五町組」で構成され、その下に「若」が付く。若は町内ごとに運営されているため、その管理は難しくはないと思う。つまり、市外に出ている人は参加させず在郷の人達だけで運行すればいい。見物客も家族内で外から呼ばなければいいし、これだけを見るために県内外から来る人も少ないと思う。また、屋外であるため感染リスクは軽減されると思う。この様な事を徹底すれば、通常運行をしても問題が無いのでは? と自分は思った。 この運行決定は7月17日の会議で決まった様ですが、もっと早い段階で決める事は出来なかったのだろうか? そうすれば、こども七夕の日程を変更して開催する事が出来たと思う。何もしないよりリスクは大きくなるが、こども七夕を楽しみにしている子供達は多いはず。要は、外から人を入れず内で進行をすれば、コロナ蔓延の可能性はかなり低いと思います。

7月26・27日は能代の祭典です。

日吉神社御神幸祭
7月25日より、祭りが始まった。御神幸祭と呼ばれる日吉神社の祭典は、祭神がかつて祭られていたひより山の御旅所にご神体が里帰りをするという行事です。350年余りの歴史があり、5基の丁山と神輿が運行されます。神輿担ぎに参加しているのですが・・・

26日に5台の丁山が町内を回り、柳町通りは歩行者天国で夜店が立つ。27日が本祭りで、5台の丁山を従えて神輿が御旅所を目指す。夕方に御旅所から日吉神社に神輿が戻って、能代の祭典は終わる。これが例年の祭りですが、去年は神輿と丁山の運行は行わず今年も運行されない事になった。

神事は通常通り行われていた様ですが、神輿と丁山は車庫に鎮座している。 去年は神輿の運行を行わない代わりに、小さな神輿が作られた。それに御神体を移し、少人数で御旅所を目指した。

今年も同じ形式で行われた。神様にしてみれば、重厚なリムジンに乗っていたのが、リヤカーに乗って御旅所に行く感じに変わった。

神輿は自分も担いでいたので分かるのですが、祭りとしてはかなりマイナーな存在と感じる。出発する日吉神社に観客はほとんど見えず、沿道にも観客は少ない。わざわざ神輿を見に来るというよりも、通過する道路沿いに住んでいる人達が見ている感じ。唯一声援が上がるとすれば、保育園の前を通った時に園児たちが発しているだけです。そのため、観客が密になるという事はなかった。 神輿で密になるのは担ぎ手の方ですが、担当町内の人と企業の人で担っているため、自由参加は受け入れていない。そのため、担ぎ手は十分に管理が出来ると思う。時流に乗った運行の縮小であると思われるが、これも必要以上に神経質になっている様に感じる。人との接触が多くなる事ではあるが、能代の感染状況を考えると管理をしっかりする事によってクラスターが発生するという事はない様に感じる。たぶん、役七夕よりその管理は簡単な様に感じる。

例年であれば柳町通りに露店が並び人が沢山いる状況ですが、今年は歩く人もまばら。自分にとって能代の祭りとは宵宮であって、神輿が運行されているのを知ったのは社会人になってからです。宵宮には不特定多数の人が集まるので、これは中止になっても仕方がないだろう。

現在 城郭型灯籠としては日本一の高さを誇る「愛季」(24.1m)。明治時代に存在した灯籠を再現した「嘉六」(17.6m)。この2台の灯籠を運行し、役七夕とは別に観光七夕としてアピールしている「天空の不夜城」。しかし、天空の不夜城デビューからその集客は減少している。大きな原因はマンネリにあると思う。ただ大きな灯籠を引き回すだけなので、「ねぶた」や「竿燈」と比べ芸がない様に思う。そのため、一回見れば良いと感じる人も多いかもしれない。運行中止の中で、その運行方法を改めて考える良い機会かもしれない。 その愛季が能代市役所の駐車場に展示される事になり、現在その組み立てが進んでいる。しかし、その組み立てには多額の費用が掛かる。機材の点検のための組み立てと言っているが、一部の業者のための組み立ての様に感じる。その経費を、天空の不夜城をより良くするために使った方が今後のためになるのでは? と自分は感じた。

 

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