本格的な冬の到来とハタハタ

朝、起きて窓の外を見ると雪が積もっていた。

たった今、降り始めたのだろう。ノッソノッソとしたボタ雪が降っており、時おり遠くで雷鳴が聞こえる。 積雪は大した事はなく、1〜2cm程だろう。必要とは思わなかったが、家の前だけはキレイにしておこうと思い除雪した。気温は1℃程で極端に寒くなく、積もった雪は水気を多く含み重い。そのため、積もった量の割には力仕事になった。 例年は11月下旬に一度雪が積もる事があるが、今年は今回の積雪が今季初の除雪になった。この雪はすぐに溶けると思っていたが、昼になっても屋根に雪がまだ残っている。このまま根雪になるのだろうか? 予報によると、今週は今季一番の寒気が襲来するらしい。そのため真冬日になる予報になっており、本格的な冬の到来を感じる。

 

今の時期、秋田県の風物詩といえば「ハタハタ」がある。ハタハタは秋田の県魚となっており、昔から愛されてきた。 ハタハタは12月が漁の盛期で、漁港周辺は一年で最も活気に包まれる。ハタハタ漁には沖合漁と沿岸漁があるが、産卵のために接岸するハタハタを獲る沿岸漁を「季節ハタハタ」と呼ぶ。秋田県民に愛されるのはこの季節ハタハタで、時期になると秋田県民は もじょなって 買いに走る。

 

八森・岩館・能代の所属する「県漁協北部支所管内」の季節ハタハタ漁の解禁日は11月25日であるが、初漁予測日(12月3日の前後3日間)を過ぎても水揚げは無かった。12月8・9日は岩館漁港で数匹が掛かり、10日には岩館・八森漁港合わせて20匹程が掛かった。そして、11日には八森漁港で約3kgの水揚げがあり初漁となった。去年は近年にない程の豊漁であったが、今年の初漁は去年より2週間遅い初漁になった。

 

同支所管内のハタハタ漁は9月に解禁された沖合底引き網漁も低調で、先月末時点までの水揚げは4.3トンと昨年同期の1/15以下にとどまっている。 今月に入ってからは、青森県深浦沖でまとまった漁獲量があったとされている。今後そのハタハタが、本県に接岸して来るのだろうか? 12月13日付けの北羽新報の記事には、毎週土・日曜日に開設される「はちもり観光市」の事が載っていた。それによると、地元産の物は沖合漁の物で、主役は深浦産の季節ハタハタになっていた。やはり、主役は地元でないと活気が出ない!

 

地球温暖化の影響だろうか、今年の日本沿岸の海水温が高くなっていた。そのため、台風の動きがいつもと違うコースを通っていた様に思う。 海水温は例年よりまだ高いのだろうか? だとしたら、回遊魚であるハタハタが接岸出来ない可能性もある。

 

ハタハタは漢字で「鰰」と書く。 冬場の日本海沿岸は北西の風が強く、海は大シケとなり漁に出れない日が多いと思う。ハタハタは一時期に大量に獲れ、それを加工し冬場の貴重な食糧になった。漁師にとってハタハタは、神の様な存在であったかもしれない。 また、ハタハタは「鱩」とも書く。雷は夏の季語になっているが、日本海側では冬場にも多い。雷が鳴って大シケの時にハタハタが接岸して来るから、この漢字になったのだろう。

 

今週から、冬型の気圧配置になり寒気が入り込んで来る。それに伴い、海は大シケになるだろう。もしかしたら雷も鳴るかもしれない。そうなると、それに乗じてハタハタが接岸して来るかもしれない。 今週のハタハタ漁が、今期のハタハタ漁を左右するかもしれない。

 

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