フラッシュオーバー

22日朝に市内富町で火災が発生した。

朝7時過ぎに目を覚ますと、何やら消防自動車のサイレンの音が聞こえた。 そう遠くではない様な感じがしたので、ベランダに出て外を見てみると薄らと煙が上がっていた。富町~柳町の辺りかなと思っていたらサイレンの音も収まり、大事にはならなかった様だ! と、その時は思った。 それから数十分後にまたサイレンが鳴り始めた。 また火事か?と思いながらも、不審火か?という思いもあった。外に出てみると、焼け臭い匂いが立ち込め真っ黒な煙が上がっていた。やがて、市内に深刻な火事を知らせる望楼のサイレンが不気味に鳴り始めた。 このサイレンを聞くのは、数十年ぶりの様に思う。
自分の家は火事現場から風下にあり、強風にあおられ火事現場から灰が飛んで来た。 もし夜であれば、火の粉に見えたかもしれない。午前8時前に、不安に思い火事現場方面に向かった。現場周辺は封鎖され近づく事が出来ないため、平安閣の前辺りでその様子を見ていた。 その火の勢いは強く、道路に火が吹き出している様子が見えた。
富町には親類が住んでいるためとても心配をしたが、現場からは100m以上離れていたので少しは安心した。午前10時半頃に用事があって近くを通ったが、まだ封鎖は解除されず放水は続いていた。 ただ、白い煙に変わっていたので鎮火には向かっている様だった。午後1時過ぎに様子を見に行ったが、封鎖はまだ解除されていなかった。消火作業はしていなかったが、崩れ落ちた建物だろうか? 残骸が道路にまで出ているのが見えた。
今朝の新聞によると
「4棟全焼 消防士2人死亡」 の見出しが、大きく一面に載っていた。
消防士の方は、火元住人を救出し、その後 延焼を食い止めるために建物内で作業を続けていたと考えられている。しかし、住人が全て避難して間もなく 「火が建物を走る様に広がった」 という証言があった。その様な事から 「フラッシュオーバー」 の現象が起きたと考えられている。消防士の遺体の近くには、放水され続けたままのホースがあったというから、消火作業中に突然猛火に包まれたのだろう。
バックドラフトという言葉は聞いた事があり現象も理解しているが、フラッシュオーバーという言葉は初めて聞いた。 フラッシュオーバーとは
火災初期の時に、室内にある可燃物が加熱などにより可燃性ガスの放出が急激に進み、ある一定の条件になった時にそれに引火し、爆発的な燃焼現象になった状態の様です。消防士の方もその現象の事は十分に知っていたと思うが、その現象がいつ起こるというのは明確に知る事は出来ないと思うので判断は難しいと思う。午前7時頃に見た煙は火災初期の状態で、火災も収まっていると思っていた時には、フラッシュオーバーの準備が進んでいたのだろう。 そして、午前8時前に見た煙はフラッシュオーバーの起きた直後だったのかもしれない。
火災現場は、昔 横町と呼ばれていた所です。 能代は二度の大火に見舞われたが、横町はその大火から逃れる事が出来た。そのため町並みは古く、小路で家々がつながり密集して建っていた事も火事を大きくした原因と感じる。
秋田県では今回の消防士の殉職は51年ぶりであり、能代山本では初めての殉職者になった。消防も警察も防衛も、有事に備え訓練をしているだろう。しかし、突然の出来事には誰でも対処が難しいと思う。
事が起これば出動しなければならない。
家族もまた、その日が無事に終わる事を願っていると思う。

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