秋田県知事選に思う事

任期満了に伴う秋田県知事選挙が、3月18日に告示された。

この選挙に対し、現職の佐竹知事が11月26日の県議会本会議で4選に向けての出馬を表明していた。そして、12月には村岡さん・山本さんが出馬の意向を示し、12月21日に村岡さんが、翌年1月18日に山本さんが出馬を表明した。そして2月17日に相場さんが出馬を表明し、ほぼこの4人よる選挙戦が予想された。

告示は18日であったが、それ以前から選挙戦は始まっていた。街中にはスピーカーを積んだ車が走り回り自分の政策を訴え、各家々には自分をアピールするパンフレットが送り込まれていた。 これって、選挙違反じゃ無いの? と思っていたが、要は投票を呼び掛けなければ単なる政治活動になるらしい。選挙前に限らず、街中で自分の主張を訴えたり、道端に立って旗を持ち自分の顔を売り込む行為を見る事がある。それと同じ扱いになる様です。

状勢はどうなのだろうか? 自分が感じるには、現職の佐竹さんが圧倒的に優勢と思える。与党系・社民・連合・各種団体など、幅広い支持を得ている。最近では、自民と対立するはずの立憲民主・寺田衆院議員まで支持に回っている。一見して保革連合の様にも感じるが、彼の場合は4年後の知事選を考えているのでは? という思いが見える様な気がする。仮に佐竹さんが今回の知事選に当選したとしてもたぶん5期目はないと思うから、次の知事選では佐竹さんの支持を得ようとした行動ではないか? と思ってしまう。

佐竹さんは、秋田藩の殿様である。そのせいか、人柄も良い様に感じる。しかし、秋田県が衰退を続け停滞をしている原因には知事の責任も大きいと思う。その点は能代市も一緒で、安定した政権の様にも見えるが、思い切った事を進めて行かないと停滞から抜け出す事は不可能の様に感じる。 また、佐竹さんの長期政権にも問題があると感じる。それだけ安定して続けられたと思うが、ゆるみも生じて来る。

秋田県豪雨災害と知事の問題
7月22日〜23日に、豪雨により秋田県南部を中心に甚大な災害が発生した。しかし当日、知事は不在でゴルフに行っていたらしい。その後頻繁に連絡は取っていた様だが、結局対策会議には間に合わなかった。知事の危機管理の甘さが問題になったが、そのほろけ騒動には余波が・・

12年間の職務の中での不祥事はたぶんこれ一件だけだったと思うが、大きな気のゆるみだったと感じ問題になった事があったし、県庁の中にも緊張感が薄れると思う。 あと、言っている言葉がよく分からない。言葉のなまりもあるが、言い方が不明瞭で、最近ではマスク越しにしゃべるためにより分かり辛く感じる。上に立つ物は、県民に伝わる声で言う事が大事と感じる。それは菅総理や金田衆院議員も同様で、どうも秋田県人の悪い所が見える様に感じる。

村岡さんは元衆院議員で、2012年日本維新の会・2014年維新の党から比例区で当選している。そして2017年に希望の党で出馬し落選している。経歴を見ると根無し草の様に感じるが、民主党分裂後の野党は、離散集合を繰り返し何党がどうなのかよく分からない。それに振り回された感じもする。 父親である「村岡兼造」さんは当選回数9回の元衆院議員で、郵政大臣・運輸大臣そして内閣官房長官を歴任した方でした。その頃に村岡さんは、父親の秘書を務めガチガチの自民党員だった様に思う。 しかし、父親が2003年の衆院選で落選し、翌年には「日歯連闇献金事件」で起訴される事になったが、それら一連の事は複雑でよく理解出来てない。自分が感じるに、衆院選で自民党の意向に沿わず、事件では全ての責任を兼造さんに負わせ切り捨てた様に自分には感じた。本来であれば、二世・自民党衆院議員であったかもしれないが、一連の事で自民党には恨みがあるのかもしれない。と自分は思った。

村岡さんを支持する団体は少ないと思うが、秋田県議会議員の「鈴木洋一」さんが応援に付いた。鈴木さんは自民党所属・8回当選のベテラン議員であるが、自民県連の方針に反して応援に付いた事によって自民党を離党する事になった。 鈴木さんは「知事選について村岡さんから相談を受けてきた。信頼関係を覆すわけにはいかない。信義の問題だ。」と語っている。そこには、父・兼造さんの存在が大きいと思う。兼造さんは自民党の大物議員であった事から、秋田県の自民党内でも大きな影響力があったと思うし、恩義を受けた方も多かったと思う。たぶん、鈴木さんもその一人だったかもしれない。自民県連の進め方にも不満を感じ、離党してまで村岡さんの支持に回ったと思う。 そんな中、自民党「鈴木健太県議」が出馬の意向を示したとされる。結局は出馬を見送ったが、自民県連は分裂状態にあると感じる。自分の意見を主張出来ないのが、自民党内では強いと感じる。

残り二人の立候補者については省略する事になるが、実質 佐竹さんと村岡さん二人の戦いになると思う。そして、大差を付けての佐竹さんの勝利になるだろう。 2018年4月に能代市長選が行われた。何か、その時の構図に似ている様に感じた。

『能代・地方選挙結果』に思う事
4月8日に市長及び市議会議員候補の告示が行われ、15日に投票が行われた。市議選は少数激戦とされているが、落選する方の予想がつくため不適切ではあるが面白味に欠ける。市長選は現職が圧勝し4期目に入ったが、安定した市政である反面、衰退した状況を打破出来るか・・

そういう意味では村岡さんに応援をしたいが、どうなるだろうか?

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結果

午後8時に投票が〆切られ、それから間もなくして、開票率0%でも佐竹知事当確のテロップが流れた。現知事の優勢といわれる中で、事前アンケートや出口調査でその結果は出たのだろう。 次点の村岡さんとの差は4万票程で楽勝に見えるが、前回の2017年に行われた知事選では、次点に21万票の差をつけての当選であった。それから考えると、現佐竹政権に不満を持っている方も多かったという事になる。 今回の知事選で初めて知った事は、前回の知事選で村岡さんは佐竹知事の応援にまわっていた事。今回の寺田学さんにも感じた事だが、村岡さんも次の知事選では佐竹さんの後継として支持を得たかったのだと思う。たぶん、佐竹さんは4期目は無いと考えていたかもしれない。しかし、コロナ禍ではトップが変わる事を周りが望んでいなかったかもしれない。そのための佐竹さんの出馬によって、村岡さんにしてみれば知事に昇るハシゴを外された事になる。そのため、今回の知事選に佐竹さんの対抗として出馬したのだろう。 そういった裏取引の様なモノがあったかもしれないし、支持者などの思惑もあると思うから、政治は個人の考えだけで全てを進める事は出来ないと感じた。

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