2018年に「働き方改革関連法」と呼ばれる、一連の労働法改正が成立した。この改正に向けて、厚労省のデーターに不備であったか不正だったかが見つかり国会では色々と紛糾した。しかし、成立したからにはそれを守らなければならない。その法律は2019年4月1日から大企業で、2020年4月1日からは中小企業でも対応をしなければならない。
働き方改革の主旨は
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「働き方改革」の目指すもの
我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。
こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。
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と、厚労省のホームページに書かれていた。
働き方改革関連法の多くは大企業向けの様に感じるが、「① ② ④ ⑤」は能代市の企業にも関係すると思う。特に「① ② ⑤」は罰則もあるので、多くの企業は遵守する様に務めると思う。
能代商工会議所では、能代の企業の多くが関連する項目の説明会が行われた。
能代市には、セキトという和洋菓子店がある。能代では一番有名な菓子店で、たぶん能代で一番売上と利益のある菓子店だと思う。現在は、上町と能代バイパス沿いの2店舗で営業をしている。セキトは1937年の創業で、1949年の能代大火の後に現在の上町店の場所に移転した。1998年にバイパス店を開店し、2017年に本社及び製造工場をバイパス店に移転した。 と、ホームページに書かれている。
そのセキトが、先日 新聞広告を出した。
この事に関し、新聞では記事としても載っていた。上町店の休業の原因は、人員不足とある。法律遵守のため労働時間の制限や社員の休日を増やすと、現在の人員では対処出来ない事が休業の原因の様です。 能代の優良企業であるから人員はすぐに集まる様に思えるが、記事を読むと簡単にはいかない感じがする。 記事では、6月1日から従業員の年間休日数を15日増やして87日にしたとある。しかし、87日でもまだ少ない気がする。それ以前は72日であったわけだが、従業員の数からして法律的には問題がなかったかもしれない。その分給料が高ければいいが、たぶん能代水準で格段に高いという事はないだろう。 小売業・サービス業等の職種は、人が休んでいる時に働かなければならない職種であるため人気がなく人手が集まらない。しかも、給料の安い職種になっている。そのため募集しても人員が集まらず、法律を遵守する事によって営業が難しくなったという事だろう。3月にスーパーマーケットが新装開店したが、去年の新聞記事では営業時間がAM8:00〜PM11:00と予定されていた。しかし実際は、AM9:00〜PM9:00と以前とほとんど変わらない営業時間になった。これも、人員確保が難しかった結果かもしれない。
営業をする上で、経費のうち設備関係と人件費が多く占めるのではないだろうか。特に冷蔵庫・冷凍庫を多く使っている業種は、電気代がかなり高額になると思う。だからといってそれらを止める事は出来ず、そこから節約をする事は出来ない。そうなると、人件費をいかに節約するかという事を経営者は考えるだろう。その結果、サービス残業をさせる仕組みというモノが生まれてきたのではないだろうか。 そのやり方は、色々あるだろう。例えば、新規採用した社員をいきなり管理職扱いにして年俸制にする。少しばかりの管理職手当を付けて、それ以上の残業を強いたり休日出勤を強いてもそれらの手当は付けない。しかもタイムカードは打刻するので、遅刻したり休んだ場合は減給される。「いかにサービス残業をさせるか」という事が、ブラック企業の経営者の手腕という事になる。
サービス残業が発覚するというニュースを見る事があるが、そのほとんどは内部告発によって発覚する事が多いのでは無いだろうか? 大企業であれば労働組合があるが、中小企業にはそれがほとんど無いと思う。労働者の味方であろうと思われる労働基準監督署は、どんな仕事をしているのだろう? と、思う時があった。
セキトは法律遵守のため休業というやり方を選んだが、抜け道を探そうと考える企業もあると思う。 そういう意味では、セキトは優良企業であると感じた。
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