越冬カラスとカラスによる被害

カラスの大群が、空を飛ぶ様子をニュースで見る事がある。その様子は、「ヒッチコック・鳥」を連想する程の迫力を感じる。実際にその場にいれば、それに恐怖を感じるかもしれない。カラスは日本各地に存在し繁殖しているが、このカラスは「ミヤマガラス」という種類の様です。 ミヤマガラスは、越冬のために中国・ロシアから渡ってくるとされている。その存在は今年に入って始めて知ったが、九州などでは昔から知られていた。 地球温暖化の影響だろうか、今では北方にも分布する様になった。

秋田県でもミヤマガラスは確認されている。 先日のニュースでは、大潟村の電線に留まっているミヤマカラスが映っていた。大潟村は八郎湖の干拓地で、多くの野鳥が観察される。そこへ、ミヤマガラスも混じってきたのだろう。2014年の論文に、ミヤマガラスの事が書かれている。それによると、大潟村にいたミヤマカラスを2006年から2008年にかけて合計20羽捕獲し、それに追跡用の送信機を取り付けた。それにより、ミヤマガラスの行動を観察していた様です。

八郎潟で越冬していたミヤマガラスは、能代へも行き来していた事が記録されていた。4月に入って八郎潟から飛び立ったミヤマガラスは、北海道の渡島半島に向かったモノが一番多く、津軽半島や積丹半島に向かったモノもいた。それから日本海を渡り、ロシアへ14羽・中国へ5羽到達した事が記録されている。 ミヤマガラスの飛来は昔から知られていたが、大群になったのは最近の事だろうか?だとしたら、中国の急成長によりミヤマガラスにとって住み良い環境になり大繁殖したのだろうか?

日本に生息してるカラスは数種類いるが、主に見るのはハシブト・ハシボソガラスが多いと思う。ハシブトは都市部に、ハシボソは農村部に多いとされている。それらは共存する事があるのだろうか?ハシブトの方が凶暴な様なので、都会に出てきた田舎者は追いやられるかもしれない。 たぶん家の周りにいるカラスはハシボソと思うが、遠目では判別出来ない。

少し前まで、家の周りには3本の大木が生えていた。夏場には木陰が出来、涼しく住み良い環境であり鳥や虫が集まり自然を多く感じる事が出来た。反面、それらの糞が落ちて来るため外に物を干す事が出来なかった。 その木には、カラスも巣を作っていた。繁殖時期になると特にうるさく、巣から落ちたヒナを狙う猫と親カラスのバトルが始まるとよりうるさくなった。人も巣の下を通る事になるので、威嚇される事もあった。 猫との因縁のせいか、仔猫がカラスによく狙われていた。家の紋次郎もカラスに囲まれている所を保護し、家に住み着く様になった。

カラスによる被害は街なかでも見られる。電柱に巣を作り、電力会社が撤去する事もある。またスーパー等の買い物で、買った物をカゴに入れ離れるとそれを狙うカラスもいた。その件数はかなり多かったのだろう、店頭にはそれを注意する張り紙が見られた。 カラスも日中は散在しているが、早朝や夕方には電線に大量のカラスが留まっているのを見る事がある。近くの松原や山林をねぐらにしているカラスだろう。その風景は、ミヤマガラスの大群と似ている。

何年前からだろうか、カラスの駆除が行われる様になった。


(北羽新報より)
銃器によって駆除が行われているが、目標捕獲数には遠く及ばない。捕獲場所が限られているため、安全な場所に逃げているのかもしれない。カラスは頭の良い鳥なので、人間より一枚上手なのかもしれない。

家の周りや市街地では「バカラ・バカラ」と鳴くカラスがいて、たぶん同じ個体だったと思う。その声が聞こえなくなった。もしかして駆除されたのだろうか?
そのカラスが悪さをしていたのかは分からないが、個性のあるカラスであった。

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