毎年8月6日と9日には広島と長崎で原爆による犠牲者を悼み、永遠の平和を願う式典が爆心地にある両公園で行われる。 72年前の原爆投下により広島と長崎に甚大な被害が出たが、結果的にはこの原爆投下により太平洋戦争は終結した。原爆が投下される前にポツダム宣言が発表され、日本に無条件降伏を迫っていた。しかしそれを無視した結果、原爆投下という事態になった。2発の原爆投下及び、ソ連の日ソ中立条約の廃棄による宣戦布告等によりポツダム宣言受諾に向けて進む事になる。 その混乱している状況が 日本のいちばん長い日 という映画で感じる事が出来る。
広島・長崎に原爆が投下された後も、全国では空襲が毎日の様に行われていた。秋田県では唯一、土崎が空襲を受けた。8月14日22:00〜8月15日3:00頃まで空襲が続いた。その8時間後には、ラジオから玉音放送が流れた事になる。「歴史にもしもはない」と言われますが、最初の段階でポツダム宣言を受諾していれば土崎の空襲は無かったし、少なくとも原爆の被害はなかったかもしれない。 2発目は長崎ではなく、小倉市に投下する予定だったという。 長崎型原爆は、広島型原爆より1.5倍の威力があったという。それが小倉市に投下されれば、もっと被害が大きかったかもしれない。 アメリカでは、原爆の威力を確かめたかった事もあったのではないだろうか。実験で威力は知る事が出来ても、都市や人への影響は知る事が出来ない。 それは、ウラン型とプルトニウム型の2種類の原爆を作っていた事からも想像がつく。もし広島の原爆投下で日本が降伏をしていたら、プルトニウム型の原爆を朝鮮戦争で使用していたかもしれない。 と思ったのだが。
今年の広島原爆の日を前に国連では、7月7日に 核兵器禁止条約 が採択された。その事には、日本からも被爆者の方々が多くのチカラを注いでいた。その条約の文言に hibakusha という日本語の固有名詞が使われた事は、核兵器による悲惨な惨状が国際社会で理解されての事だと思う。 核兵器禁止条約には、核保有国が不参加になるのは元より、核の傘にあるNATO諸国や日本も不参加となった。日本は世界で唯一の核の被害国である事から核の惨状を世界に広める一方で、核の傘の下にあるためにジレンマに陥る事になってしまう。 その元凶にあるのが北朝鮮で、核兵器禁止条約に賛成をしていたというがそれはポーズだろう。そのため参加はしなかった。 北朝鮮からすれば、大国から守る自衛手段としているが、周りからすれば、北朝鮮の様な不安定な国の核の抑止のための核の保有という事になる。いずれにせよ核兵器保有国が参加しないのであれば、何のための条約かと思う。このままでは、条約の文書がただの紙切れになってしまいそうな気がする。
北朝鮮に対する制裁決議が、8月6日に採択された。 中ロ両国も賛成し、ちゃんと履行されれば北朝鮮にとっては大打撃になるはずだが、中ロ両国とも信用が出来ない一面がある。北朝鮮に対する安保理の制裁決議は8回目となるが、北朝鮮では何も影響を感じない様にうつる。
少なくとも、金正恩にはそう感じる。
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